[BOOKデータベースより]
大岡昇平と「水のイメージ」、大江健三郎の「神話的自分史」、「ロマンスの極端な形」村上春樹、同時代を俯瞰する刺激に満ちた視点!
1 同時代の文学(わたしと小説;歴史といふ悪夢;三人の短篇小説作家 ほか)
2 女の小説(江島宗通といふ男―野上彌生子;都市を描く―宇野千代;問はず語り ほか)
3 言葉と調べ(扇よお前は魂なのだから―堀口大學;現代俳句から古俳諧へ―飯田龍太;弓なりの列島と桜前線―岡野弘彦 ほか)
4 日本語のために(未来の日本語のために;ゴシップ的日本語論;日本語を見わたす ほか)
現代日本文学とは何か? 刺戟に満ちた同時代の作家たちを論じた第十巻。
石川淳の小説は「明治末年の文学革命に対する思ひ切つた反抗」。吉行淳之介「暗室」は「伊勢物語」と比較される。「司馬の作風は本質的に喜劇を狙つてゐる」と論じる「司馬遼太郎論ノート」。昭和30年代に8人家族で東京に暮らす松本清張家・その老いた父と子の関係を糸口にして清張作品を論じた「父と子」。大江健三郎の「神話としての自分史」、「ロマンスのもっとも極端な形」である村上春樹作品……
文芸評論はまじめで深刻なものでなければならないという旧弊な思い込みを退け、まず作品を丁寧に読み、小説の方法や構造、文学的冒険をきちんと論じ、新たな文芸批評の形を作り上げた丸谷さん。知的でわかりやすく、ユニークな視点から書かれた画期的作家論の集大成。
「未来の日本語のために」「ゴシップ的日本語論」「近代の言葉をめぐって」などの主だった日本語論も収録。
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