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精神分析の歴史において、精神分析から離反していった「逸脱者」として記憶されているランクが、神経症や精神病は「出生時の外傷の再現である」という壮大な試論を描き出そうとしたものである。精神分析の歴史のなかで十分に語られることのなかった試論、そしてランクが「出生外傷」と呼んだ不安の根源は、今日の精神分析に何を投げかけるのか。ランクの主著にして、今日の早期母子関係論の先駆けともいえる重要古典が、いま明らかになる。
第1章 分析的状況
第2章 幼児的不安
第3章 性的充足
第4章 神経症的再現
第5章 象徴的適応
第6章 英雄的補償
第7章 宗教的昇華
第8章 芸術的理想化
第9章 哲学的思索
第10章 精神分析的認識
第11章 治療的作用
精神分析の歴史のなかで十分に語られることのなかった試論、そしてランクが「出生外傷」と呼んだ不安の根源は、今日の精神分析に何を投げかけるのか。早期母子関係論の先駆けともいえる重要古典が、今明らかになる。
「人間がこの世に生を受けることそのものが外傷体験である」。精神分析の開祖フロイトの愛弟子であった著者の重要古典、待望の邦訳。 人間がこの世に生まれてくることそのものが、外傷の体験である――。精神分析の開祖フロイトの愛弟子であったオットー・ランクは、本書で古代芸術・宗教・哲学にまで言及するメタファーによって、神経症や精神病が「出生時の外傷の再現である」という壮大な試論を立てる。ランクの主著にして彼がフロイトと精神分析から離反するきっかけとなった、今日の早期母子関係論の先駆けともいえる重要古典、待望の邦訳。