- 朽ちていった命
-
被曝治療83日間の記録
新潮文庫 えー16ー1
- 価格
- 649円(本体590円+税)
- 発行年月
- 2006年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101295510
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- わたしたちは見ている
-
価格:700円(本体636円+税)
【2024年05月発売】
- 福島第一原発事故7つの謎
-
価格:924円(本体840円+税)
【2015年01月発売】

ユーザーレビュー (2件、平均スコア:5)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
-
HonyaClub.comアンケート
-
「怖い本」レビューコメント
東海村の臨界事故で大量の放射線を被曝した犠牲者の治療に懸命に取り組む医療陣の悪戦苦闘。溶け出す体を懸命に押しとどめんとする努力は誰の為なのか。何を目的にこの延命治療を続けるのか。放射線事故の恐ろしさばかりではなく、高度化した医療とその目的を高齢者医療に置き換えると、背筋も凍る思いがする。フクシマと高齢化した日本の抱える問題点が透けて見える。しかも、フィクションではなくドキュメンタリーなので恐怖感はこの上ない。(Specialweek1959/男性/50代)
-
HonyaClub.comアンケート
-
「オススメの夏の文庫100冊」レビューコメント
東海村臨界事故とは、1999年9月30日に茨城県那珂郡東海村の核燃料加工施設内でウラン溶液が臨界に達して核分裂反応が発生し、日本で初めて事故被曝による死者を出した事故。この本では主に、犠牲になった大内さんについての記録が綴られています。被曝直後、医師に『これは助けられるかもしれない』と思わせた大内さんですが、致死量を超える20シーベルトもの被曝は染色体を破壊し、体は新しい細胞を作り出すことができなくなっていました。原子力で死者を出したくない政府の意向で、無理矢理延命措置を取られていた大内さん。医療が人を救うものではなく、苦しめるものになっていることに苦悩する現場の医師や看護師たち。「俺はモルモットじゃない」という言葉は、大内さんご本人の苦しみを想像すると、こちらの思考が停止してしまうほど凄まじいものです。そもそも何故そんな事故が起こってしまったのか?なぜ裏マニュアルまで作成し、バケツでウランを扱うような安易なことをしてしまったのか?勤勉で真面目であるはずの日本人が、なぜそんな間違いを…?その疑問や懸念は、結局福島第一原子力発電所でも活かされなかったのかもしれません。非常に重い一冊ですが、これからどう原子力と向き合っていくか、ひとりひとりで考えるための大事な資料になると思います。
[BOOKデータベースより]
1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者を救うべく、83日間にわたる壮絶な闘いがはじまった―。「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生をやめ次第に朽ちていく体。前例なき治療を続ける医療スタッフの苦悩。人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問う渾身のドキュメント。
被曝 一九九九年九月三〇日
邂逅―被曝二日目
転院―被曝三日目
被曝治療チーム結成―被曝五日目
造血幹細胞移植―被曝七日目
人工呼吸管理開始―被曝一一日目
妹の細胞は…―被曝一八日目
次々と起きる放射線障害―被曝二七日目
小さな希望―被曝五〇日目
被曝五九日目〔ほか〕