漢詩で愉しむ小倉百人一首

新風舎
花木忠水　

• 価格: 1,650円（本体1,500円＋税）
• 発行年月: 2004年05月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784797438260

内容情報

[BOOKデータベースより]

中国伝来の文芸「漢詩」の古典的な美で創りだした『小倉百人一首』の華麗、雅な世界―民族の違いを超えて共感しうる文学的な美の融合―漢詩を通して、漢字そのものの美しさや、意味の多様さを認識しうる機会をもっと多くしたい…在野の研究・愛好家が追求する「漢詩の愉しみ方」とは。

秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ
春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山
あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
田子の浦にうちいでて見れば白妙の富士の高嶺に雪はふりつつ
奥山にもみぢふみわけなく鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける
天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも
わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり
花の色はうつりにけりないたづらにわが身よにふるながめせしまに
これやこの行くも帰るもかわれては知るも知らぬもあふさかの関〔ほか〕