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[BOOKデータベースより]
本書では、刑法について、専門用語をかみ砕いて説明し、なぜそのことばが使用されるのかを日常用語との関連で述べた。刑法学において体系的思考が要求される根拠は、過酷な刑罰が恣意的に科せられることを排除するためである。それを前提として、刑法体系を明らかにして刑法理論の全体像を描いた。その際、理論の背景、個々の論点の由来と体系との関連をくわしく説明し、具体的に妥当な結論を導き出す理論といえるかどうかという観点からの指摘も意識的に提示した。罪刑法定主義、刑法の謙抑主義、法益保護主義、刑法と倫理との分離、責任主義など、他の法分野とはかなり異なる法原理・法原則を理解しないと、刑法における理論の展開がピンとこないことになる。そこで、このような法原理・法原則を平明に説明するように努めた。
第1編 刑法および刑法理論(刑法の意義と機能;刑法理論;罪刑法定主義;刑法の適用範囲(刑法の効力))
第2編 犯罪論(犯罪論体系の構成;構成要件該当性と構成要件論;犯罪の主体;構成要件的行為 ほか)
第3編 刑罰論