[BOOKデータベースより]
ヒトとクスリの2000年の歴史。正倉院の薬からはじまり、民間薬・漢方薬、近代の化学的薬品の技術的発展や流通、薬業界の変遷、薬学教育までの総合的叙述。ちりばめられた数々のエピソードには、健康を見まもる薬学者の目が感じられる。
第1章 くすりの伝来と「難波のくすし」
第2章 蘭方薬の導入と道修町
第3章 近代の薬学教育と薬事制度(薬学教育の始まり;薬制・医制の確立と法整備;明治前期の薬事関連制度と業界の変容)
第4章 大正・昭和期大阪の製薬業の推移
薬の歴史をその技術的発展と共に、流通から医学教育そして薬業界の変遷まで、総合的に書かれた本邦初の著作。正倉院の薬品分析の話題は貴重な報告である。
天下の台所といわれた大阪に他の商品と共に薬品が集散、いまも道修町に薬会社があること、そこから必要な教育や検査方法が生まれていった様子、医薬分業の制度の成り立ちなど、私たちに身近なそして重要な問題をも取り上げている。