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[BOOKデータベースより]
ドストエフスキーを批評の対象として20年の著者が丸3年かけて書下した1000枚の『罪と罰』論。すべての登場人物に照明をあてたばかりでなく、ラスコーリニコフ、ソニーャ、スヴィドリガイロフの踏み越えを鋭く洞察、また730歩の象徴的意味や老婆殺しの時間を推論するなど従来にない画期的な長編・作品批評の結実。
精神の空白性
初期作品と十牛図
百尺竿頭から最初の投身
犯行後の軌跡
運命的な邂逅
マルメラードフの告白と聴衆
踏み越えとラスコーリニコフの思想
犯行の告白とソーニャの指示
主人公はひとりの青年
スヴィドリガイロフの肖像
死者もまた夢を見る
スヴィドリガイロフと一匹のはえ
ラスコーリニコフにおける“突然”の時性
作者ドストエフスキーの事後処理
ラスコーリニコフの復活
もっとほかの理論とあれ
ポルフィーリィと『オルフェ』
ルージンをめぐって
ラズミーヒン論
『罪と罰』の女性をめぐって
秘教術的「数」の象徴と円環する時間
スヴィドリガイロフの子供