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[BOOKデータベースより]
昔日の記憶が感光されて、現実のトーンを失い意識の底に眠っている。記憶など、少ないほどよい、と言った詩人もいたけれど…。考えるということが唯一良く生きることなのに、今はどうだろう。若いころは真っすぐに生きてゆきたいと影の自分に誓ったこともあった。ほんとうの誓いだったのか。井坂洋子、12年ぶりのエッセイ集。
自分から捨てた物(生意気の罰;天使のしるし;晩秋の杖 ほか)
[日販商品データベースより]あんな神様さえいなければ(鳴く・唱える;銘仙の色;このちゃんのこと ほか)
鞄の底の地図のような染み(ごっつんこ;アルミの弁当箱;お見舞い ほか)
老いの世界なんて夢のようだったし、自分がその世界になんて考えもしなかったが、すっぽり罠に落ちた。「記憶など少ないほどよいと言った詩人もいたけれど、その人の生涯ほど大きな出来事もなく、この世や社会を呪うことなく、過ごしてこられた。それは私ひとりの力を超えている」。祖父との思い出、父との軋み、母の死、娘の成長、孫の誕生、旅立った友たち。古希を経た女流詩人がはじめて綴る“ささやかな身辺の記”。
装画、北原明日香。