- 在庫状況:在庫あり(1〜2日で出荷)
- 吉野弘詩集
-
- 価格
- 748円(本体680円+税)
- 発行年月
- 1999年04月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784894565173
[BOOKデータベースより]
社会のあり様や働き人の暮らし、家族の営みや自然の移り変わりを、日々を生きる者の飾らない眼差しでとらえ、深く柔らかくそしてユーモラスに練り上げた言葉でうたう詩人・吉野弘。名詩「I was born」や「祝婚歌」など、やさしく誠実な者たちの魂の重力を探った戦後五十年にわたる詩群のなかから代表作品を選び、季節・生活・言葉遊びなどテーマごとに配置する。
四季
生きる
日常さまざま
言葉いろいろ
漢字遊び
空山海・樹ほか
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- ラインマーカーズ
-
価格:616円(本体560円+税)
【2022年11月発売】
- 短歌のガチャポン
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2022年12月発売】
- 吉野弘詩集 続続
-
価格:1,282円(本体1,165円+税)
【1994年06月発売】
- 吉野弘詩集 続
-
価格:1,282円(本体1,165円+税)
【1994年04月発売】
- 吉野弘全詩集 増補新版
-
価格:10,780円(本体9,800円+税)
【2014年05月発売】
ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
レビューを評価するにはログインが必要です。
この商品に対するあなたのレビューを投稿することができます。
- HonyaClub.comアンケート
-
「夏の文庫100冊 2013」レビューコメント
吉野弘さんの優しさが、ダイレクトに作品の中にあらわれているからです。(やまちゃん/男性/40代)
遠い昔、中原中也が好きだった。
「中原中也の詩だろう」と問われれば、「いや、中原中也その人が」と答えたい。
巷間に知られた恥じらったような美少年の写真といい、長谷川泰子という女性を小林秀雄ととりあったことといい、若くして亡くなったことといい、中也そのものが詩であるような気がする。
まさに「汚れつちまつた悲しみに」だ。
中也そのものがある意味詩人の典型のように思っていた。
それからたくさんの水が橋の下を流れ、中也が亡くなった年齢もとっくに越してしまって、どうもそうではないのではないかと気づいた。
詩人であれ、まっとうな社会人であり、家庭人たりうる。
そんな詩人の一人は、吉野弘であることは間違いない。
吉野弘といえば、「祝婚歌」といわれるほど有名な詩がある。あるいは教科書にも載った「夕焼け」という詩も広く知られている。
この詩集にはそういう代表作も収録されているが、吉野弘の単独詩集であるから、目にしたこともない詩も多いだろう。
例えば、私は「生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい」という節で始まる、「生命は」という詩が気にいった。
その詩の最後はこうだ。「私も あるとき/誰かのための虻だったろう//あなたも あるとき/私のための風だったかもしれない」、そんな虻と風が出会って、「愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい」という「祝婚歌」の世界につながっていくのだろう。
もうひとつ、この詩集の特長でいえば、言葉遊びの詩が数多く収録されていることだ。
言葉遊びといえば谷川俊太郎が数々の詩を発表しているが、吉野弘も負けてはいない。
気に入ったのは、「主婦」という詩。「婦」という言葉を分解して、「主(おも)に帚(ほうき)を使う女」と読めることに詩人はそうではないと異議を申し立てる。「主(あるじ)に帚(ほうき)を使う女」。
詩人の目の鋭さと文字に対するセンスの良さを感じないだろうか。
吉野弘に「「汚れつちまつた悲しみ」は隠されているが、もっともっと読まれるべき詩人だ。(夏の雨さん 60代・埼玉県 )
【情報提供・絵本ナビ】