[BOOKデータベースより]
本書では、呼吸器細胞診の第一線で活躍されている方々にご執筆いただき、細胞診判定区分、臨床所見、病理像、細胞像のキーポイント、鑑別診断、補助検査、マネジメントといった、WHO呼吸器細胞診報告様式に盛り込まれている内容をわかりやすく解説していただきました。執筆者の皆様のご尽力により、単なる細胞診のアトラス書、判定区分の運用補助のための実践書を超え、「肺癌取扱い規約」と共に歩んできた本邦の呼吸器細胞診の歴史の記録としても価値ある一冊になったものと自負しています。―序文より。
1章 呼吸器細胞診判定基準国際化への道のり(「肺癌取扱い規約」と細胞診;「肺癌取扱い規約」における細胞診判定の問題点;呼吸器細胞診判定基準国際化への動き)
2章 細胞診技術の標準化(細胞検体処理の総論;補助診断技術;がんゲノム診療と細胞診;Rapid on−site cytologic evaluation (ROSE))
3章 判定基準と対応(診断カテゴリーとマネジメントの解説;報告様式の解説(取扱い規約とWHOの対比を含む))
4章 判定基準の解説―細胞診判定区分アトラス(不十分/不適正/診断不能;良性;異型;悪性疑い;悪性)
日本臨床細胞学会理事長・日本肺癌学会理事長推薦.WHO呼吸器細胞診報告様式に準拠.細胞診検体を用いた遺伝子検索など補助的な検査・コンパニオン診断のポイントを提示し,新たな国際的判定基準に沿って呼吸器疾患への対応方法(マネジメント)を簡潔に解説する.さらに,判定基準に沿って疾患を分類し,その病態の診断アトラスとしても役立つ.病理医,細胞検査士,呼吸器外科医,呼吸器内科医など,呼吸器診療にかかわるすべての医療従事者に必携の一冊.
【序文】
2022年末に,WHO/IARC/IAC主導で編纂された「WHO Reporting System for Lung Cytopathology」(以下,WHO呼吸器細胞診報告様式)が出版され,これにより呼吸器細胞診領域では初めて国際的な細胞診判定基準が示されました.この本の編纂には,本邦からも複数の専門家が参画し,さらに,報告様式の策定にあたっては本邦から発信したエビデンスが基本となったといっても過言ではありません(日本臨床細胞学会と日本肺癌学会による「肺癌細胞診の診断判定基準の見直しに関する合同ワーキンググループ」の活動成果).
WHO呼吸器細胞診報告様式が制定さたことで,今後世界各国では本報告様式に基づく細胞診判定が普及していくものと考えられます.本邦においては,折しも「肺癌取扱い規約」の改訂作業が進行しており,細胞診判定においてはこのWHO呼吸器細胞診報告様式に準拠した判定区分に変わる見通しです.そこで,今後このWHO呼吸器細胞診報告様式を運用していくにあたり,判定基準を理解し,臨床上重要と思われる疾患をどのように捉え,判定し,さらにマネジメントにつなげていくかという,一連の流れを解説するためのアトラス書を編集しました.本書では,呼吸器細胞診の第一線で活躍されている方々にご執筆いただき,細胞診判定区分,臨床所見,病理像,細胞像のキーポイント,鑑別診断,補助検査,マネジメントといった,WHO呼吸器細胞診報告様式に盛り込まれている内容をわかりやすく解説していただきました.加えて,呼吸器細胞診の判定区分を築いてこられた先達の歴史についてもまとめていただきました.執筆者の皆様のご尽力により,単なる細胞診のアトラス書,判定区分の運用補助のための実践書を超え,「肺癌取扱い規約」と共に歩んできた本邦の呼吸器細胞診の歴史の記録としても価値ある一冊になったものと自負しています.
本書が,細胞診や呼吸器疾患診療に携わっている方々,これらに関心をお寄せいただいている方々にとっての日常診療の手引きとして,また国際化が進む呼吸器細胞診における知識の整理の拠りどころとして,役立つことを願っています.
末筆ながら,本書の刊行に多大なるご支援をいただいた南江堂編集部の皆様,とりわけ臨床編集部の八幡晃司様,制作部の達紙優司様には心より御礼申し上げます.
2024年5月
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