- うしろ姿
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- 価格
- 607円(本体552円+税)
- 発行年月
- 2008年06月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784167471033
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:4)
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sige
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著者最後の現代小説
作品もしみじみとして良かったのだが、皮肉にも著者の“あとがき”が一番しみじみとして心に残ってしまった。
この短編を読んで、確かにこのようなテーマ・内容・構成の小説は本当に“古臭い”感じを受ける。若い人は“暗い”“陰気”といって嫌うだろう。文章など昔の小説家らしく情景描写など素晴らしいものがあるのだが、売れないのだろうなと思う。“スリル”とか“サスペンス”の方に読者が流れていくだろう。
作る側は時代の流れに対応してどう対処すればよいか考える力もなくなっていると嘆く。やはり“あとがき”が一番切ない。
作品はどれもエンディングが表題の“うしろ姿”で余韻を残して終わる。いい作品だけどなぁ
[BOOKデータベースより]
これが最後の仕事と思い決めて、危険な犯罪に走った初老の男が辿ってきた人生(「トマト」)など、七本の短篇を収録。望まない道に引き込まれて否応なく、あるいは自ら荒波の中へ飛び込んだ結果、社会の片隅で生きざるを得なかった人間の哀しさ、切なさ、たくましさを描く。短篇の名手と謳われる著者の、最後の現代小説作品集。