- ニュートン先生の死とは何か講義
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- 価格
- 1,320円(本体1,200円+税)
- 発行年月
- 2025年12月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784315529760
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[BOOKデータベースより]
死は進化の原動力だ!「生と死の境界線とは?」「生物はなぜ老いるのか?」「寿命はなぜ生まれたのか?」…死の不思議を丸ごと解説!
1時間目 「生」と「死」の境界線(「死」を理解する第一歩は「死因」の特定;温度、水分、酸素…命はどこまで耐えられる?;人の「死」を決定づける三つの特徴;生命維持の要は「脳幹」;似ているけど全然ちがう、植物状態と死;意識はあるのに体が動かない「閉じ込め症候群」;現代のもう一つの死「脳死」;死んだ個体と生きている個体は何がちがう?;死んだ生き物の体は、時間がたつとくずれていく)
[日販商品データベースより]2時間目 死につつある体では何がおきるのか(臓器の機能低下が心停止をまねく;心臓は、突然停止することがある;心臓が止まると、すぐに脳細胞の死がはじまる;心肺停止は3分間が勝負;死の間際、脳は最後の信号を出す;死後数時間で、全身の筋肉は固くなる;命が尽きても、臓器は生き続ける;死は予測できるのかもしれない;年齢が高くなるほど死への恐れが少なくなる)
3時間目 死へとつながる老化(脳の老化は20代からはじまる;脳が老化すると、体の動きがにぶくなる;筋肉は「速筋」から衰えていく;筋肉が衰えると、生命維持機能が低下する;基礎代謝が落ちて体が太る;骨の老化「骨粗しょう症」;老化の象徴「しわ・白髪」)
4時間目 細胞の死と、人の寿命(毎日4000億個の細胞が死んでいる;自死には「定期券タイプ」と「回数券タイプ」がある;回数券タイプの細胞の自死「アポトーシス」;「テロメア」が細胞の老化具合を決める;「活性酸素」が細胞を老化させる;がんは、テロメアを操作して不死化する;脳細胞の死が進みすぎるアルツハイマー病;人類は死をどこまで遠ざけられるのか?;寿命は有性生殖からはじまった;ゾウリムシに見る死のしくみ;DNAの変異が進化に結びつく!?;生物の寿命を決める要因は、よくわからない)
「死」は,多くの人にとって,なるべく遠ざけておきたいものでしょう。しかし,生あるものには必ず「死」が訪れ,逃れることはできません。なぜ生き物は死ぬのでしょうか? なぜ永遠に生きていることができないのでしょうか?
生物はもともと,自ら分裂して増殖(無性生殖)する「1 倍体生物」しかいませんでした。つまり,生物が誕生した当時,「死」は存在しなかったのです。ところが,進化の過程で,雌雄が合わさって増殖(有性生殖)する「2倍体生物」があらわれました。分裂して増殖するだけの1倍体生物とことなり,2倍体生物は雌雄の遺伝子が混ざり合うため,ことなる性質をもつ個体が誕生します。つまり,「寒さに強い」とか「体が大きい」などの多様性が生まれるのです。
個体が成長すると,親は死にます。しかし,少しずつ性質のことなる遺伝子を残し,多様性を増すことができれば,たとえば急激な環境の変化がおきたとき,それに対応できる遺伝子をもつ個体は生き残ることができ,種の絶滅を防ぐことができます。生物を取りまく環境は常に変化し,その変化に耐えられなければ,生物は絶滅してしまいます。つまり,死は生命をつなぐための“戦略”であり,生物が進化していくための原動力ともいえるのです。
本書は,「死とは何か」を,科学的な視点でひもといていくニュートン先生の講義です。この本を読めば,今まで見えなかった「死」についての新たな側面が見えてくることでしょう。