この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- アイドルだった君へ
-
価格:605円(本体550円+税)
【2025年03月発売】
- たぶん私たち一生最強
-
価格:1,760円(本体1,600円+税)
【2024年07月発売】
- 彼女は鏡の中を覗きこむ
-
価格:1,430円(本体1,300円+税)
【2017年04月発売】
- トリニティ、トリニティ、トリニティ
-
価格:1,870円(本体1,700円+税)
【2019年10月発売】
[BOOKデータベースより]
戦争末期、女学生たちが東京宝塚劇場に集められた。今日から風船爆弾を製造するのだ。膨大な資料や取材を基に描く意欲的長編小説。
[日販商品データベースより]第78回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞作。
日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。しかし、少しずつ、でも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。
ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。彼女たちは今日からここで、「ふ号兵器」、すなわち風船爆弾の製造に従事する……。
膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。