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美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学
イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。
2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。
【編集担当からのおすすめ情報】
ノーベル文学賞受賞作家オルハン・パムクをはじめ、『乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺』のラティフェ・テキン、『レイラの最後の10分38秒』のエリフ・シャファクなど、世界的に評価され活躍する現代トルコ文学の作家たち。本作『イスタンブル、イスタンブル』の著者ブルハン・ソンメズは日本初紹介となりますが、本国トルコをはじめヨーロッパでも高く評価されている作家です。
クルド系トルコ人のソンメズ氏は、1980年の軍事クーデターの混乱のなかイスタンブルで法律を学び、人権弁護士として活動していましたが、その活動中に警察に襲撃されて瀕死の重傷を負い、その後英国へ亡命しています。現在はトルコと英国を行き来しながら作家活動をしていますが、その半生を経て生まれたイスタンブルの街への痛切な思いが、この小説に込められています。
一言たりとも読み逃したくないほど濃密な文章、苛烈な拷問のなかで囚人たちによって語られる物語の美しさと哀しさ。きっと特別な読書体験になることと思います。ぜひ、現代トルコ文学の底力をその目で確かめてください。
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