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[BOOKデータベースより]
なぜ皆、こんなにも「させていただいて」いるのか?さまざまな分野の言語学者が各々の視点から語る、「させていただく」研究のフルコース!
第1部(特別寄稿「させていただく」は敬語体系の欠陥を補う;幻の講演を再現 敬語の歴史社会言語学―関西起源のテイタダク)
[日販商品データベースより]第2部(敬意漸減―すり減って止まない敬意が引き起こすこと;テモラウの依頼用法―テイタダク成立への契機;漫才談話の結末句の機能と変遷;「させていただく」の地域差は、どういう地域差なのか―世論調査と「食べログ」調査にみる;参与者追跡の観点から見た「させてもらう」の機能;「させていただく」はなぜ一人勝ちしたか?―ベネファクティブの変遷に見る敬意漸減プロセス)
なぜ皆、こんなにも「させていただいて」いるのか? 敬意不足が気になってつい使ってしまう現代人に贈る論文集。時空を旅し、辞書から漫才、食べログ、歌詞など探索し、「一人勝ち」の原動力を考えながらその正体に迫る。
■「はじめに」より
授受動詞には「やる・あげる・さしあげる」「もらう・いただく」「くれる・くださる」という3系列7動詞があり、本動詞としてだけでなく、他の動詞の後ろにつく補助動詞としても使われている。本書は、補助動詞として使われている授受動詞、特に「させていただく」に焦点を当てて、さまざまな分野の言語学者が各自の専門の視点から分析した論考を集めた論文集である。
(中略)
本書の特徴は、普段なら同じプラットホームで議論を交わすことのない異なる専門領域の言語学者たちが集結し、もっぱらモラウ系ベネファクティブ「させていただく」について論じた点にある。これほどバラエティに富んだ専門分野の研究者が一堂に会し、同一テーマを論じたことがこれまであっただろうか。執筆者の方々には、「させていただく」研究の決定版を目指した『「させていただく」大研究(仮)』への執筆を依頼した。今、その(仮)を取って、本書のタイトルとして掲げたい。(ただし、「させていただく」があまり使われていない時代や分野の分析を専門とする方には、「ていただく」を論じてもらっている。)