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貨幣と贅沢の一五〜一六世紀 講談社選書メチエ 754
講談社 大田由紀夫
点
一五世紀後半、北京で流行しはじめた派手な消費生活はやがて朝鮮半島・日本列島にも伝播し、珠玉・絹・陶磁器などの「唐物」、そして大量の銭や銀が、東シナ海を激しく往来することとなる。大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起きたか?明・朝・日で同時発生した悪貨の横行の原因は何か?東アジア各地の経済成長と貨幣の変動は、相互連動する世界史的事件であった!共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える試み。
第1章 贅沢は連鎖する―明・朝・日の経済成長(大陸における贅沢風潮;半島の奢侈化と唐物交易の展開;列島における唐物消費の拡大;連鎖の背景―経済復興する大陸;芽吹く半島の経済;列島の経済変動)第2章 悪銭と悪布―巻き起こる通貨変動(大陸の悪銭と揀銭;列島の通貨変動;半島の通貨変動)第3章 そして「倭銀」があらわれた(停滞する列島経済;劣悪化する大陸の銭;変容する東アジア海域の交易;環シナ海域交易の沈滞;「倭銀」登場)第4章 活況と騒乱の東アジア―シルバー・ラッシュがもたらしたもの(撰銭令ふたたび―一六世紀中葉・その一;米遣いの展開―一六世紀中葉・その二;銭から米へ―一六世紀後半;銀でつながる東アジア)おわりに―「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”
〈共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える!〉「ちかごろ北京城の内外で人々は贅沢を好み、貴賤を問わず、みな金襴や宝石を身に着け、服装がみずからの分限を甚だしく越え、どの宴席でもいつも盛りだくさんの料理や菓子などが並べられ……」15世紀後半、明の都・北京では人びとが競って贅沢にふけるようになった。奢侈の風潮は、さらに朝鮮半島、そして日本列島にも伝播し、絹製品や陶磁器・金銀・珠玉などの「唐物」が東シナ海を盛んに行き交うこととなる。大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起こったのか?それは単なる偶然ではなく、また各地域内の単一事象だけでも決して説明がつかない、世界史的事件であった!これまで日本史の枠内で捉えられていた応仁の乱前後を画期とする日本列島の経済成長も、日朝交易が過熱化し半島から列島へ流れ込む朝鮮綿布、琉球を経由した唐糸・青花の流入といった多地域にわたる国際交易の活況と切り離して考える事ができない。中世日本の経済成長、私鋳銭の流通や石高制への変化などの事象も、東アジア各地の経済成長と連動したものであった。本書は、中国・朝鮮・日本の経済変動が相互に影響を与え合い、複数の起点からなる共時的な歴史変動がいかに生起するかを探る試みである。【本書より】総じて、およそなんの関わりもないように思われてきた東アジア各地の個々の事象が互いに関連し合い、やがてひとつの大状況(東アジア大での経済成長、日本銀の登場、倭寇的状況など)を創出し、さらにその大状況が多数の事象を派生させるとともに、これらの事象によってふたたび変容する、そのような歴史過程を描き出すことが本書の目的である。いままで意識されなかった歴史の「流れ」を見出し、その生成・展開を跡づけることを通して、この時期の中国史・日本史そして東アジア史をめぐる既存の認識とは多少なりとも違ったストーリーを提示できればと考えている。【主な内容】第一章 贅沢は連鎖する ─明・朝・日の経済成長第二章 悪銭と悪布─ 巻き起こる通貨変動第三章 そして「倭銀」があらわれた第四章 活況と騒乱の東アジア─ シルバー・ラッシュがもたらしたものおわりに ─ 「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
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[BOOKデータベースより]
一五世紀後半、北京で流行しはじめた派手な消費生活はやがて朝鮮半島・日本列島にも伝播し、珠玉・絹・陶磁器などの「唐物」、そして大量の銭や銀が、東シナ海を激しく往来することとなる。大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起きたか?明・朝・日で同時発生した悪貨の横行の原因は何か?東アジア各地の経済成長と貨幣の変動は、相互連動する世界史的事件であった!共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える試み。
第1章 贅沢は連鎖する―明・朝・日の経済成長(大陸における贅沢風潮;半島の奢侈化と唐物交易の展開;列島における唐物消費の拡大;連鎖の背景―経済復興する大陸;芽吹く半島の経済;列島の経済変動)
[日販商品データベースより]第2章 悪銭と悪布―巻き起こる通貨変動(大陸の悪銭と揀銭;列島の通貨変動;半島の通貨変動)
第3章 そして「倭銀」があらわれた(停滞する列島経済;劣悪化する大陸の銭;変容する東アジア海域の交易;環シナ海域交易の沈滞;「倭銀」登場)
第4章 活況と騒乱の東アジア―シルバー・ラッシュがもたらしたもの(撰銭令ふたたび―一六世紀中葉・その一;米遣いの展開―一六世紀中葉・その二;銭から米へ―一六世紀後半;銀でつながる東アジア)
おわりに―「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”
〈共進化する東アジア史を、貨幣という視点から捉える!〉
「ちかごろ北京城の内外で人々は贅沢を好み、貴賤を問わず、みな金襴や宝石を身に着け、服装がみずからの分限を甚だしく越え、どの宴席でもいつも盛りだくさんの料理や菓子などが並べられ……」
15世紀後半、明の都・北京では人びとが競って贅沢にふけるようになった。奢侈の風潮は、さらに朝鮮半島、そして日本列島にも伝播し、絹製品や陶磁器・金銀・珠玉などの「唐物」が東シナ海を盛んに行き交うこととなる。
大陸・半島・列島にわたる「贅沢の連鎖」はなぜ起こったのか?
それは単なる偶然ではなく、また各地域内の単一事象だけでも決して説明がつかない、世界史的事件であった!
これまで日本史の枠内で捉えられていた応仁の乱前後を画期とする日本列島の経済成長も、日朝交易が過熱化し半島から列島へ流れ込む朝鮮綿布、琉球を経由した唐糸・青花の流入といった多地域にわたる国際交易の活況と切り離して考える事ができない。
中世日本の経済成長、私鋳銭の流通や石高制への変化などの事象も、東アジア各地の経済成長と連動したものであった。
本書は、中国・朝鮮・日本の経済変動が相互に影響を与え合い、複数の起点からなる共時的な歴史変動がいかに生起するかを探る試みである。
【本書より】
総じて、およそなんの関わりもないように思われてきた東アジア各地の個々の事象が互いに関連し合い、やがてひとつの大状況(東アジア大での経済成長、日本銀の登場、倭寇的状況など)を創出し、さらにその大状況が多数の事象を派生させるとともに、これらの事象によってふたたび変容する、そのような歴史過程を描き出すことが本書の目的である。いままで意識されなかった歴史の「流れ」を見出し、その生成・展開を跡づけることを通して、この時期の中国史・日本史そして東アジア史をめぐる既存の認識とは多少なりとも違ったストーリーを提示できればと考えている。
【主な内容】
第一章 贅沢は連鎖する ─明・朝・日の経済成長
第二章 悪銭と悪布─ 巻き起こる通貨変動
第三章 そして「倭銀」があらわれた
第四章 活況と騒乱の東アジア─ シルバー・ラッシュがもたらしたもの
おわりに ─ 「唐物」と「夷貨」:東アジア史を動かす“モノ”