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[BOOKデータベースより]
「日本一の大闇市場」とも称された神戸三宮の闇市。1945年夏以降、戦災復興とGHQによる占領政策が同時期に進むなか、多様な人びとがひしめき、せめぎあって、神戸の都心は形成された。語り継がれてこなかった当時の人びとの活動を、多角的な調査と資料で生き生きと描き出す、新たな都市空間の近現代史。
海港都市・神戸をめぐるせめぎあい
[日販商品データベースより]第1部 戦災と占領―近代都市の戦後(海港都市の近代化;戦災と復興の初動;GHQによる神戸の占領政策)
第2部 GHQ占領下の闇市(闇市の生成と変容―三宮・元町・湊川新開地;記録・表象にみる闇市)
第3部 闇市からの復興(在日朝鮮人のサバイバル―三宮国際マーケット;雑業者の台所―三宮ジャンジャン市場;轟音直下のマーケット―鉄道高架下のふたつの商店街;引揚者の拠り所―湊川公園商店街;暮らしと観光の復興)
戦後神戸の都市空間とせめぎあい―占領・復興・震災後
――ただ人間は人間をもとめて集うのだ。
「日本一の大闇市場」とも称された神戸 三宮の闇市。
1945年夏以降、戦災復興とGHQによる占領政策が同時期に進むなか、
多様な人びとがひしめき、せめぎあって、神戸の都心は形成された。
語り継がれてこなかった当時の人びとの活動を、新聞記事の引用と聞き取り調査、
豊富な視覚資料にもとづき生き生きと描く、新たな都市空間の近現代史。
第二次世界大戦が終わり、焼け跡となった神戸の駅前には、民族や年齢、性別の異なる多様な民衆が生きる手段を求めて集まり、やがて「大闇市」を形成していった。
本書は、戦災復興の原点となった闇市の発生から衰退までの軌跡を辿り、そこから新たな商業空間が根付き、また展開していく過程を描き出す。
戦災復興期はGHQ占領期(1945‐1952年)と重なる。瀬戸内海に面した陸海交通の要衝として栄えた神戸には、戦後も変わらず人・物の流れが集中した。 「何でも揃う」神戸の闇市を舞台に、民衆はGHQや地方自治体の政策と激しく衝突し、折衝を繰り返しながら、新たな組織を結成し、新興市場を築き、商店街を復興させていった。さらに、目を見張る速度で国際港都として復興に向かう姿と神戸で売られる物資の魅力は、戦後の観光復興の資源としても大いに注目を集めていく。
新聞の悉皆調査をはじめ、日米の公文書、豊富で多彩な図像資料、インタビュー調査といった多角的な資料分析にもとづき、これまで忘却されていた占領下神戸のせめぎあいを民衆の視点から生き生きと再現する!