- 変わらないために変わり続ける
-
福岡ハカセのマンハッタン紀行
文春文庫 ふー33ー4
- 価格
- 825円(本体750円+税)
- 発行年月
- 2018年02月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784167910235
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 迷走生活の方法
-
価格:1,980円(本体1,800円+税)
【2021年03月発売】
- ゆく川の流れは、動的平衡
-
価格:1,870円(本体1,700円+税)
【2022年03月発売】
- 芸術と科学のあいだ
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2015年11月発売】
[BOOKデータベースより]
若き日に研究者としてすごしたニューヨークの大学に、客員教授として再び滞在する福岡ハカセ。最先端科学に高揚し、街と文化に刺激される。大学も街も、つねに変化を続けることで、変わらずあり続けている。これはまさに生命の「動的平衡」そのものではないか。週刊文春連載の人気エッセイ、待望の第4弾。
第1章 修業時代の母校ふたたび
[日販商品データベースより]第2章 世界の生命科学最前線
第3章 異国で文学を思う
第4章 食文化差の理科的考察
第5章 ニューヨークの自然観察
第6章 自由と違和感のアメリカ文化
第7章 滞在二年目だからわかること
第8章 世界を股にかけフェルメール巡礼
「週刊文春」の人気連載を集めた第三弾の単行本「変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術」の文庫化。
2013年4月から2015年1月までの2年弱、著者の福岡伸一氏がニューヨークに滞在していた時期の連載をまとめたもので、かつて研究員として働いたロックフェラー大学に客員教授として赴任すつところから始まるので、この巻だけで「福岡ハカセのニューヨーク滞在記」として独立して読むこともできる。
著者が特に愛着があるというこの書名は、「動的平衡」という、生物を定義するキーワードとして著者が提唱する概念を分かりやすく表現したもの。生物は、大きく変わらないために、小さな部分でつねに変わり続けなければならない。これはそのまま、大学にも、街にも当てはまると著者はいう。ロックフェラー大学は「生命科学研究の最先端」であり続けているが、その中で行われている研究内容はめざましく変化している。そして、ひさしぶりに滞在したニューヨークという街も同じだ。
本書の中で、著者はその大学で出会った最先端の科学研究の成果を、高揚しつつも平易に解説し、科学に対する興味を掻き立ててくれる。そんな中で日本では「STAP細胞」騒動が起きるが、この件についての著者の「先端科学者としての分析」にも鋭いものがある。
そして、ニューヨークの日常生活も発見の連続。文化、芸術の分野でも一切の停滞を許さないダイナミズムが満ち溢れる。中でもフェルメールに対する作者の愛が溢れる章はすばらしい。
ニューヨークで暮らす著者の興奮、感動、喜びが、そのまま読者に伝わってくる一冊。