[BOOKデータベースより]
本書は、微分方程式のテキストである。しかし、類書のようにその分類と解法に拘泥することはなく、ある物理や工学の問題は微分方程式でどのように表されるのか、そしてその微分方程式を解くことにより何がわかるのかといった、微分方程式の「活用」を主眼にして書かれている点に特徴がある。もう1つの特徴が、微分方程式の「解き方」以外の側面にも光を当てた点である。それは、微分方程式を解かなくてもわかる洞察についてであり、また、一見全く異なる現象が、共通の微分方程式で記述できるという面白さである。
第1章 微分方程式とは何か
第2章 微分方程式の解法
第3章 直接積分形微分方程式
第4章 1階斉次微分方程式
第5章 1階非斉次微分方程式
第6章 2階斉次微分方程式
第7章 2階非斉次微分方程式
第8章 連立微分方程式
第9章 特殊な解法
本書は、いわゆるオーソドックスな教科書とは異なるアプローチで執筆された、微分方程式の入門書である。
一つは、思い切って理論的背景を省略し、ある物理や工学の問題は微分方程式でどのように表されるのか、そしてその微分方程式を解くことにより何がわかるのか、といった応用面を主眼にした。とくに、最も重要と思われるニュートン力学と電気回路の線形微分方程式の問題には大きく紙幅を割いた。
もう一つは、微分方程式の「解き方」以外の側面に光を当て、微分方程式を解かなくてもわかる洞察について、また一見まったく異なる二つの現象が共通の微分方程式で記述できるという面白さについて述べた。
本書を通じて、微分方程式の「解き方」でなく、「使い方」がわかったという実感を持っていただければ幸いである。