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- 世にも奇妙な人体実験の歴史
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文春文庫 S19ー1
Smoking ears and screaming teeth.- 価格
- 1,133円(本体1,030円+税)
- 発行年月
- 2016年11月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784167907396
[BOOKデータベースより]
性病、毒ガス、寄生虫。麻酔薬、ペスト、放射線…。人類への脅威を解明するため、偉大な科学者たちは己の肉体を犠牲に果敢すぎる人体実験に挑んでいた!梅毒患者の膿を「自分」に塗布、コレラ菌入りの水を飲み干す、カテーテルを自らの心臓に通す―。マッド・サイエンティストの奇想天外、抱腹絶倒の物語。
マッド・サイエンティストの世界へようこそ
淋病と梅毒の両方にかかってしまった医師―性病
実験だけのつもりが中毒者に―麻酔
インチキ薬から夢の新薬まで―薬
メインディッシュは野獣の死骸―食物
サナダムシを飲まされた死刑囚―寄生虫
伝染病患者の黒ゲロを飲んでみたら―病原菌
炭疽菌をばら撒いた研究者―未知の病気
人生は短く、放射能は長い―電磁波とX線
偏食は命取り―ビタミン
ヒルの吸血量は戦争で流れた血よりも多い―血液
自分の心臓にカテーテルを通した医師―心臓
爆発に身をさらし続けた博士―爆弾と疥癬
ナチスドイツと闘った科学者たち―毒ガスと潜水艦
プランクトンで命をつないだ漂流者―漂流
ジョーズに魅せられた男たち―サメ
超高圧へ挑戦し続けた潜水夫―深海
鳥よりも高く、速く飛べ―成層圏と超音速
究極の自己犠牲精神をもった科学者たちに感謝
性病、コレラ、寄生虫……人類の危機を救った偉大な科学者たちは、己の身を犠牲にして、果敢すぎる人体実験に挑んでいた!
自身も科学者である著者は、自らの理論を信じて自分の肉体で危険な実験を行い、今日の安全な医療や便利な乗り物の礎を築いた科学者たちのエピソードを、ユーモアたっぷりに紹介します。
解剖学の祖である十八世紀の医師ジョン・ハンターは、淋病患者の膿を自分の性器に塗りつけて淋病と梅毒の感染経路を検証しました。十九世紀の医師ウィリアム・マレルは、ニトログリセリンを舐めて昏倒しそうになりますが、血管拡張剤に似た効果があると直感。自己投与を続けて、狭心症の治療薬として確立するもとになりました。二十世紀、ジャック・ホールデンは潜水方法を確立するために自ら加圧室で急激な加圧・減圧の実験を繰り返し、鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発したといいます。
その他にも放射能、麻酔薬、コレラ、ペストなどの危険性の解明に、自らの肉体で挑んだマッド・サイエンティストたちの奇想天外な物語が満載。その勇気と無茶さに抱腹絶倒するうち、彼らの真の科学精神に目を開かされる好著です。
性病、寄生虫、コレラ、ペスト……人類を絶滅の危機から救った医学の発展の裏には、多くの科学者による果敢な自己人体実験があった。