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[BOOKデータベースより]
ヒトを翻弄する貨幣。あるモノが貨幣たりうる条件とは何か。それを考察するのに恰好の対象がある。タカラガイだ。呪物・護府・威信財・装身具や遊具と用途を変える貝は、なぜ貨幣にもなり得たのか。新石器時代から現代までの「時間」。大興安嶺の山麓からアフリカ大陸まで環のように経巡ってきた「空間」。史料の渉猟と雲南やチベットなどの踏査をもとに、時と場の両面から貨幣成立の謎や貝を取り巻くヒトと社会の諸相に迫る。
知的冒険のはじまり
第1部 時をたどる旅(文明黎明期;雲南の諸王国;モンゴル帝国下の雲南;明朝と琉球王国;タカラガイ通貨の崩壊;タカラガイの経済理論)
第2部 場をめぐる旅(ムアンと呼ばれる小宇宙―タイ系民族の世界;棲み分ける諸文化―雲南山地の世界;ダライラマが観た歌舞劇―ラサの祭り;神々の舞う大地―アムド=チベット族の世界;シャーマンが身につけるタカラガイ―大興安嶺のふもとにて;人類にとってタカラガイとは何か)
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貨幣が貨幣たりうるとは一体どういうことなのか。それを考えるのに恰好の対象がある。タカラガイだ。時と場を経巡りながらその文明史的意味に迫った渾身の一冊。