- 数学の大統一に挑む
-
Love and math.
- 価格
- 2,420円(本体2,200円+税)
- 発行年月
- 2015年07月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784163902807
[BOOKデータベースより]
憧れのモスクワ大学の力学数学部の試験に全問正解したにもかかわらず父親がユダヤ人であるために不合格。それでも少年は諦めず、数学を学び続けた。「ブレイド群」「リーマン面」「ガロア群」「カッツ・ムーディー代数」「層」「圏」…、まったく違ってみえる様々な数学の領域。しかし、そこには不思議なつながりがあった。やがて少年は数学者として、異なる数学の領域に架け橋をかける「ラングランズ・プログラム」に参加。それを量子物理学にまで拡張することに挑戦する。ソ連に生まれた数学者の自伝がそのまま、数学の壮大なプロジェクトを叙述する。
はじめに 隠されたつながりを探して
人はいかにして数学者になるのか?
その数学がクォークを発見した
五番目の問題
寒さと逆境に立ち向かう研究所
ブレイド群
独裁者の流儀
大統一理論
「フェルマーの最終定理」
ロゼッタストーン
次元の影
日本の数学者の論文から着想を得る
泌尿器科の診断と数学の関係
ハーバードからの招聘
「層」という考え方
ひとつの架け橋をかける
量子物理学の双対性
物理学者は数学者の地平を再発見する
愛の数式を探して
われわれの旅に終わりはない
xのn乗 + yのn乗 = zのn乗
上の方程式でnが3以上の自然数の場合、これを満たす解はない。
私はこれについての真に驚くべき証明を知っているが、ここには余白が少なすぎて記せない。
17世紀の学者フェルマーが書き残したこの一見簡単そうな「フェルマーの予想」を証明するために360年にわたって様々な数学者が苦悩した。
360年後にイギリスのワイルズがこれを証明するが、その証明の方法は、谷村・志村予想というまったく別の数学の予想を証明すれば、フェルマーの最終定理を証明することになるというものだった。
私たちのなじみの深いいわゆる方程式や幾何学とはまったく別の数学が数学の世界にはあり、それは、「ブレード群」「調和解析」「ガロア群」「リーマン面」「量子物理学」などそれぞれ別の体系を樹立している。しかし、「モジュラー」という奇妙な数学の一予想を証明することが、「フェルマーの予想」を証明することになるように、異なる数学の間の架け橋を見つけようとする一群の数学者がいた。
それがフランスの数学者によって始められたラングランス・プログラムである。
この本は、80年代から今日まで、このラングランス・プログラムをひっぱってきたロシア生まれの数学者が、その美しい数学の架け橋を、とびきり魅力的な語り口で自分の人生の物語と重ね合わせながら、書いたノンフィクションである。
〈目次〉
はじめに 隠されたつながりを探して
数学の世界で過去半世紀の間に生まれたもっとも重要なアイディアが、ラングランズ・プログラムだ。大きくかけ離れて見える数学の各領域のあいだに、さらには量子物理学の世界にまで、胸躍る魅力的なつながりがあるという刺激的な予想だ。
第1章 人はいかにして数学者になるのか?
旧ソ連のロシアに生まれたわたしは、量子物理学者になりたかった。クォークを発見した物理学者のゲルマン。でも、ゲルマンはなぜ、それを発見できたのだろう。「そこにはきみの知らない数学がある」。両親の古い友人の数学者が言ったのだ。
第2章 その数学がクォークを発見した
その両親の友人の数学者は、クォークの発見に、対称性とは何かを記述する「群」という数学が関係していたことをわたしに教えた。観察ではなく、理論によって何かの存在を予想する。それは数学にしかできない。
第3章 五番目の問題
ソ連のパスポートには五番目の欄にナショナリティーを記すことになっていた。わたしはロシア人として登録をされていたが、父はユダヤ人であった。このことが、モスクワ大学の受験に問題となる。
第4章 寒さと逆境にたち向かう研究所
モスクワ大学の試験官が問わず語りに口にした「石油ガス研究所」。わたしたち一家は、そこに一縷の望みをかける。そこは旧ソ連の中でユダヤ人が、応用数学を学べる
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xのn乗 + yのn乗 = zのn乗
上の方程式でnが3以上の自然数の場合、これを満たす解はない。
私はこれについての真に驚くべき証明を知っているが、ここには余白が少なすぎて記せない。
17世紀の学者フェルマーが書き残したこの一見簡単そうな「フェルマーの予想」を証明するために360年にわたって様々な数学者が苦悩した。
360年後にイギリスのワイルズがこれを証明するが、その証明の方法は、谷村・志村予想というまったく別の数学の予想を証明すれば、フェルマーの最終定理を証明することになるというものだった。
私たちのなじみの深いいわゆる方程式や幾何学とはまったく別の数学が数学の世界にはあり、それは、「ブレード群」「調和解析」「ガロア群」「リーマン面」「量子物理学」などそれぞれ別の体系を樹立している。しかし、「モジュラー」という奇妙な数学の一予想を証明することが、「フェルマーの予想」を証明することになるように、異なる数学の間の架け橋を見つけようとする一群の数学者がいた。
それがフランスの数学者によって始められたラングランス・プログラムである。
この本は、80年代から今日まで、このラングランス・プログラムをひっぱってきたロシア生まれの数学者が、その美しい数学の架け橋を、とびきり魅力的な語り口で自分の人生の物語と重ね合わせながら、書いたノンフィクションである。
〈目次〉