- 人間の消失・小説の変貌
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- 価格
- 2,310円(本体2,100円+税)
- 発行年月
- 2009年10月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784488015275
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:4)
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hamachobi
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刺激的なんだけど、相変わらず読むのに疲れる
雑誌「ミステリーズ!」に連載されてた笠井潔氏の小説時評をまとめたもの。雑誌の性格もあって取り上げられている作品は、ミステリを中心としたエンターテインメント小説。相変わらず、読むのが疲れる。
連載されていた時期は2002年から2007年と、比較的最近なので、時評の対象となった作品も馴染みが深く、また、私自身も読んだことのある作品がいくつかあったので、読みやすいかなって思ったけど、やっぱり笠井潔は笠井潔。まだ彼の書いた小説はいいんだけど、評論は、高校時代に背伸びをして読んだ「テロルの現象学」から、私の能力では歯がたたない。
今回も対象がミステリ小説とはいえ、彼らしい難渋な文章で(彼にとってはやわらかい文章かもしれないけど)、読むのに苦労した。
もちろん、彼の評論を読む度に感じるのは、他の評論家とは違った視点。今回も村上春樹の「1Q84」、東野圭吾の「容疑者Xの献身」といったベストセラーを、思っても見なかった(いや笠井潔ならこう書くだろうって想像はできたが)形で論じる。
面白かったのは、瀬名秀明の「デカルトの密室」のところ。その本を読んで感じていた面白さがようやく理解できた気がする。
[BOOKデータベースより]
小説、評論、共に精力的に活動を続ける著者が、鋭い感性で時代を代表する作品群を読み解く。『容疑者Xの献身』など話題のミステリのみならず、『1Q84』『グロテスク』など幅広く文芸作品を扱い、さらにドラマ、アニメ、コミックにいたるまで、ジャンルをまたいで論じることで遷りゆく時代を浮彫りにした、力作時評集。
序 決断と不能―村上春樹『1Q84』
[日販商品データベースより]作品と魔性―柄澤齊『ロンド』
義体と洗脳―相田裕『GUNSLINGER GIRL』
階級と絶対―桐野夏生『グロテスク』
転向と空虚―矢作俊彦『ららら科學の子』
推理と社会―米澤穂信『さよなら妖精』
制作と創造―神林長平『膚の下』
障壁と情熱―ユン・ソクホ『冬のソナタ』
好色と空白―藤田宜永『恋しい女』
鏡像と分身―法月綸太郎『生首に聞いてみろ』
名前と認証―北山猛邦『「ギロチン城」殺人事件』
夢想と成熟―新海誠『雲のむこう、約束の場所』
頽廃と暴力―村上龍『半島を出よ』
結束と驚異―麻耶雄嵩『神様ゲーム』
悪霊と知能―瀬名秀明『デカルトの密室』
勝者と敗者―東野圭吾『容疑者Xの献身』
成長と失効―志水辰夫『うしろ姿』
本格と論理―道尾秀介『骸の爪』
犯罪と処罰―辻村深月『ぼくのメジャースプーン』
怪異と推理―三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』
解釈と強度―恩田陸『中庭の出来事』
自然と環境―東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』
文学と前衛―筒井康隆『巨船ベラス・レトラス』
片説と小説―佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』
収穫と終焉―西澤保彦『収穫祭』
「容疑者Xの献身」「さよなら妖精」をはじめとしたミステリ、「1Q84」などの文芸作品から「冬のソナタ」まで。小説に限らずドラマや漫画などの話題作も幅広く扱った、刺激に満ちた力作時評集。