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[BOOKデータベースより]
チッソ・水俣事件の渦中の死者も含む民衆の心に寄り添い、「ものかたり」、「命の荘厳」の輝きを浴び、たましいの浄化に至る、石牟礼道子の文学的価値を現代文明社会に問う。水俣病の加害側と被害側が交錯する家庭に育った著者による、石牟礼文学の真髄に迫る渾身の評論集。
第一章 概説 石牟礼道子文学が問いかけるもの(『苦海浄土 わが水俣病』の背景;短歌が灯した文学的表現の炎;詩によって広がった表現世界;『苦海浄土』という文学の構造と方法;石牟礼道子文学のオリジナリティ;石牟礼道子文学が問いかけるもの)
第二章 石牟礼道子文学と行動の七つのアポリア(「渚」という可視化される難題;石牟礼道子の文学と行動;文明禍―共同体の加害性;現代俳句の空隙を埋める石牟礼俳句;たましいを癒す「もの」「かたり」;悶え巫女―命に寄り添い見届ける心;たましいを浄化する命の荘厳の輝き;石牟礼道子の「あした」への問い)
第三章 石牟礼道子文学の精神的背景(「命の荘厳」の輝きの中へ―『苦海浄土』という起点;怒りと告発を超えて―アウシュヴィッツ・シベリアそして水俣;共同体―そのリヴァイアサンという怪物性;たましいの高漂泊(たかざれき)―石牟礼道子の精神的な遍歴;うたを奉る―ことば果つるところから)
第四章 石牟礼道子文学―響き合う俳句と小説の世界(句集『天』をめぐって―祈りとは天に向かって立つ一本の柱;俳句集「玄郷」と小説『春の城』―「かたり」直される歴史;俳句集「水村紀行」と小説『天湖』―祈りの水底へ;『色のない虹』と『椿の海の記』―命の荘厳の輝き)
第五章 石牟礼道子文学を生み出したもの(わたしたちは今何処にいるのか;日本人による日本文化論;石牟礼道子文学の世界文学における先進性;再びモリス・バーマンの視点から;何故俳句だったのか―死者の発見と命の荘厳の輝き)