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[日販商品データベースより]
薄暑なつの第一歌集
ねむいままバスを降りれば包まれるサービスエリアの光のにおい
あなたの名前ぎゅっと握って歩く夜 かけるべき言葉がわからずに
隣室のラジオが聞こえてくる夕べこれから眠る町がふくらむ
毎日の暮らしのなかで、特別ではない平凡な出来事だとしても、薄暑なつは注意深く目を凝らし、耳を傾け、意識して匂いを感じとろうとする。ほんの一瞬の出来事であるがゆえに、多くの人たちは見過ごしてしまうようなワンシーンを彼女は繊細にとらえて歌にする。繰り返し表れる光、音、夜、そして、匂い。そのどれもが愛おしく、歌を読んだ人の心にそっと触れる。
ことばが遅れて届くような、小さな記録のかたち
岡野大嗣
光、波、心、身体、関係、日々、常に揺らいでいるものたち
木下龍也
いま過ごしている時間の豊かさがゆっくりと増幅していくのを感じる
東直子
日々の中で心が揺れたりふくらんだりしたことを、そのままのかたちで目の前に置いておけるように記した146首。力を抜いて読むことができて、必要なときにただそばにいられるような本を目指しました。バスの後部座席に揺られて過ごすしずかな時間、終わってもあかるいライブ会場、ベランダから見渡す町のごはんの灯り、おやすみの代わりに小さく光らせるラジオの声。1首でもあなたの中に灯る景色があれば、とてもうれしく思います(薄暑なつ)。