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[日販商品データベースより]
しっかりと休むには不向きな夜行バスのシートでも、長らく利用していると慣れるところもある。眠りに落ちる前、高速道路の等間隔で過ぎていく照明灯の印象をうっすらと覚えている。久しぶりの夜行バスは案外よく眠れた。
到着まであと15分ほどだろうか。カーテンと窓の間に顔を挟むと、もうすっかり夜は明けていて水平に近い高さの朝日が目に入る。雨を集めると流れが速くなる川を、バスは渡っていった。
かつて青春18きっぷというもので、学生時代の長期休暇を貪るように過ごしていた私は遅い電車には慣れているつもりだった。しかし、そういうのはやはり心持ち次第なのだろう。この倦怠感は身体の疲労か、あるいは結露している窓から見える景色か。新潟に着くと距離としては半分ほどだが、そこから先に新幹線はない。やがてようやく日本海が眼前に現れる。慣れ親しんだ灰色の荒波が特急の速度で横にも流れていく。並行するように、時間も流れ続けている。
その最期まで私のことを心配してくれていた祖父の葬儀が終わり、羽田へ戻る。モノレールに乗っていると、それをどこかに置いてきてしまったかのように、東京の街が生で満たされていることに気づく。数日間の見知らぬ環境に疲れたのか、長女は深く寝入っていた。
祖父が亡くなった翌年に、次女が生まれた。よく笑っていきている。