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[日販商品データベースより]
本書は、移民・難民に関わる法学の第一人者として半世紀にわたり研究と実務に携わってきた著者が、アメリカ移民法の非人道性を告発し、その克服の道筋を示すものである。著者は、移民法に根付く人種的不正義を明らかにし、収容施設での子どもの惨状や、 国外送還に直面する移民、機能不全に陥った 移民審判手続の実態を暴き出す。アメリカで育ちながら法の下で不安定な立場に置かれる若者たち「ドリーマーズ(Dreamers)」の存在もまた、この矛盾を象徴している。
第1章では、移民法の根底に横たわる人種差別の構造を歴史的経緯とともに検証する。第2章は収容された子どもへの非人道的処遇を、第3章と第4章は「重罪犯」とされ強制送還された事例を通して、 法執行の裁量や救済制度の限界を指摘する。第5章では亡命希望者に「疑いの利益」を与えるべきと論じ、第6章では機能不全に陥った移民 審判所の現実を明らかにする。終章と追補では人種正義を実現するための打開の戦略を提示し、変革への展望を示している。
著者は強調する。不法を減らす道は人を拒むことではなく、制度を整えることである。家族一体性を守り、亡命申請を公正に審査し、移民を労働力ではなく隣人として受け入れる社会を築くべきだと。少子高齢化が進み外国人受け入れが避けられない日本にとっても、この議論は決して他人事ではない。本書は秩序と人道をいかに両立させるか、その問いに応えるために必要な視座を与える一冊である。