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[BOOKデータベースより]
序章 「太平洋」をどう教えるか―ポストコロニアル時代における環太平洋市民意識の育成と連帯性を養う教材開発―(中山京子)
[日販商品データベースより]第1部 太平洋について学ぶ/教えるための視点(グローバル・ヒストリーにおける太平洋地域の意義と歴史教育―マリアナ諸島を中心に―(中山京子);社会科における「文明」の扱い―太平洋の視点を導入する―(中山京子);ポストコロニアル太平洋の象徴「スパム」―ハワイ・グアム・パラオ・沖縄・韓国から考える―(中山京子);変容する《安里屋ユンタ》―琉球列島の近現代から考える―(呉屋淳子))
第2部 トピックを活かして新しい授業をつくる(グローバル・ヒストリーの視点から授業をつくる―ロタ島に生きる「トミさん」「ロタ・コーヒー」を事例に―(中山京子;東優也);環太平洋市民意識の育成と連帯性を養う教材開発―日本の水産業を支えるキリバスを視点に―(中山京子;東優也);太平洋の島々との対話から授業をつくる―サイパンに生きる「モモタロウ」から―(中山京子))
第3部 既存のカリキュラムに合わせて授業をつくる(日本海側に住む小学生の「太平洋地域」意識を育てる―小学校第1学年の実践から―(山崎優菜);太平洋をテーマにした授業を教科横断的に行う―小学校第3学年での大単元構想と実践―(東優也);マーシャル諸島共和国の学習を通してグローバルシティズンシップを育てる―中学地理オセアニア州の地域学習―(織田雪江);ウクレレ弾き歌いからハワイの音楽に目を向ける―高等学校芸術科音楽I―(居城勝彦))
21世紀に入り、「インド太平洋」という言葉は地政学的・戦略的な概念を伴うものとして広く知られるようになった。しかし、実際の「環太平洋」地域は大航海時代以降、西洋列強の植民地に組み込まれ、第2次世界大戦では激戦地となるなど、常にコロニアリズム(植民地主義)の只中にいた。そのくびきは今も色濃く残る。
日本は第1次世界大戦後に「南洋群島」を信託統治したことでコロニアリズムの一翼を担ったが、戦後、文化人類学を中心にポストコロニアル議論が展開されたにも関わらず、「環太平洋」は学校での社会科・地理・歴史教育からすっぽりと抜け落ちてしまっている。その結果、“南の島”や“リゾート”といったステレオタイプなイメージばかりが先行し、環太平洋と日本はこれまで何も関わりがなかったかのような扱いになっている。つまり関心が薄いのだ。
そんな環太平洋地域との関係を、グローバル・ヒストリーという観点から問い直そうというのが、本書の試みである。日本人に希薄な環太平洋市民意識と連帯性をどのように醸成していくのか――。本書はその考え方と、音楽や食料品などといった題材を用いた小・中・高校での授業の実践例を挙げながら、国際理解教育の現場に迫っていく。