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[日販商品データベースより]
成長現象は、火の燃え広がり、降り積もる雪、増殖する細菌の塊など、身の回りにありふれた現象だ。ところが、これがいま非平衡統計力学や数理物理学の最先端の話題の一つとなっている。成長現象に見られるゆらぎ、たとえば降り積もった雪面の凸凹が、相互作用しながら発達するゆらぎの普遍法則を探究する絶好の題材であるとわかったからだ。この普遍法則は、Kardar-Parisi-Zhang普遍クラス、略してKPZクラスという名で知られており、1次元系では数理モデルの厳密解研究と物理実験が普遍法則を通して交流する極めて魅力的な研究の舞台となっている。
本書は、物理学科などの学部講義で習う程度の初歩的な知識を前提として、成長現象の基礎から、KPZクラスが誘う最先端の物理学までを無理なく習得できるように配慮されている。平易な数学だけで、数理的な厳密解研究が解き明かしてきた驚くべき諸法則を一望できるとともに、確率論や組合せ論、統計力学や量子力学、確率過程などを縦横無尽に飛び回っていくような爽快感も味わえるはずだ。こうした書籍は世界にも存在せず、非自明なゆらぎの普遍法則を知ってみたいと思う学生はもちろんのこと、KPZの中身を理解したいと思う研究者にとっても、最良の一冊となるだろう。