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[日販商品データベースより]
『シミュレーショニズム』『日本・現代・美術』をはじめ、膨大な執筆活動を通じて日本の現代美術論の言説を構築してきた椹木野衣による本書は、美術のジャンル解体と新たな批評を切り拓いた『後美術論』(2015年)、3.11後、震災や災害の多い風土から「日本列島」の美術を捉え直した『震美術論』(2017年)に続く第3部であり、ウェブマガジン『ART iT』での連載「美術と時評」で書かれた15年に及ぶ批評選集である。
3.11以降、東日本大震災と福島第一原子力発電事故を起点に評論を行なってきた筆者にとって、振り返ればそれらはすべて、人類の歴史が終焉を迎えたあとの時代へ向けて投げかけられた「末世の芸術」をめぐる批評であったという。
この無人類のための芸術を見据えていた先達として、本書ではまず中原佑介、石子順造、花森安治、浅田孝、磯崎新の営みを取り上げている。ついで核/原子力をめぐる思索と制作を行う岡本太郎、飴屋法水、Chim↑Pom from Smappa!Group、また3.11により故郷を失った赤城修司や、見に行くことができない展覧会「Don’t Follow the Wind」の展開など、核災害と表現との関係についての考察を深めていく。そして本書の中心部では、1985年の日本航空墜落事故を扱った批評的戯曲『グランギニョル未来』を含め、映画作家の大林宣彦、成田亨、三上晴子、そして岡崎京子や村上春樹の小説まで、死者や声なき人々、様々な分野の人々との批評的交感を試みた。
グローバル化した世界を前提とする今日のアートに疑義を投げかけ、「真の意味でドメスティックであること」を無人類のための芸術の条件に据えた本書は、そこから日本の美術を新たな視点で立ち上げ直そうとする試みの軌跡である。