- エナクトメント
-
精神分析の新しい考え方
金剛出版
スティーヴン・J.エルマン マイケル・モスコウィッツ 妙木浩之 津野千文- 価格
- 5,280円(本体4,800円+税)
- 発行年月
- 2025年11月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784772421423
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[BOOKデータベースより]
「エナクトメントの臨床的な有効性」を探る。転移‐逆転移、アクティングアウト、相互交流、投影同一化、等、精神分析の重要な臨床概念を学び、「相互交流と技法の問題」を探求する。エナクトメントは治療効果を証明する始まりである。本書では、フロイトの転移論から始まり、エナクトメントの理論的発展と臨床的意義を検討する。複雑な治療関係における行動の意味を探り、米国を中心とした文献を精選。治療効果や概念の必要について多角的に論じている。
1 フロイトのエナクトメントとの苦闘(スティーヴン・J・エルマン)
[日販商品データベースより]2 アクティング・アウトの一般的諸問題(フィリス・グリーネーカー)
3 逆転移と役割―応答性(ジョゼフ・サンドラー)
4 アクティング・アウト:概念の再考(デイル・ボウスキー)
5 逆転移のエナクトメントについて(セオドア・J・ジェイコブズ)
6 エナクトメントの臨床上および理論上の諸相(ジェームズ・T・マクローリン)
7 エナクトメントのもつ喚起力(ジュディス・フィンガート・チューズド)
8 精神分析の成功事例において逆転移のエナクトメントが果たした役割(オーエン・レニック)
9 精神分析的相互作用の進退きわまった状態:オーエン・レニックの章の考察(スタンレー・グランド)
10 エナクトメント:それは何なのか、だれのものなのか?(ハリエット・I・バセックス)
11 エナクトメントは有用な概念か?(ポーラ・L・エルマン)
12 患者、セラピスト、およびスーパーバイザーに洞察をもたらすエナクトメント(フォンヤ・ロード・ヘルム)
13 性格のエナクトメントにおける行為の固着:発達的な退行を見つけ出す(ナンシー・R・グッドマン)
14 エナクトメント、転移、そして分析上の信頼(スティーヴン・J・エルマン)
エナクトメントは,精神分析における転移・逆転移の文脈で生じる無意識的な行動であり,重要な治療的意味を持つ。これは従来の「アクティング・アウト」や「アクティング・イン」に代わる用語で,言語を超えた治療的相互作用を捉える枠組みとして用いられる。フロイトの「行動化」に由来し,失敗が無意識の成功とされる視点と関係する。分析家と患者の関係性の中で役割が演じられ,失敗を通じてその意味が明らかになる。
エナクトメントは治療効果を証明する始まりである。
ジョセフによると,患者の夢や反応を通じて無意識の欲望や防衛を読み解き,治療者との相互作用に注目する。患者は治療者に無意識のプレッシャーをかけ,治療者も逆転移によって反応する。治療者が自身の内面を吟味することで,より自由な解釈が可能となり,治療が進展する。エナクトメントは両者の無意識的な共同作業として理解され,大きな治療的意義を持つといえる。本書には「エナクトメント」に関する,エルマン,レニック,グリーネーカー,サンドラー,ジェイコブス等の臨床理論的重要論文を収載している。