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[日販商品データベースより]
〈特集〉生存権の現在地――「いのちのとりで裁判」を振り返る
2013年から2015年にかけて、生活保護基準額過去最大の引き下げが行われました。前年、政権に返り咲いた自民党の意向に沿うように、適切な手続きや根拠を欠いたまま行われた強引な引き下げ。
この引き下げをめぐり、全国で1027名が提訴。この一連の訴訟が「いのちのとりで裁判」です。文字どおり、「生活保護は最後のセーフティネット」との意識に基づいた命名。多くの弁護団と支援者がこの裁判を支えました。
2024年6月27日、最高裁判所第三小法廷で「いのちのとりで裁判」名古屋高裁、大阪高裁に対する判決が下されました。裁判所は、厚生労働大臣の減額決定を生活保護法違反と認定、処分の取り消しを命じる原告勝訴判決を申し渡しました。
しかし、裁判の判決後、厚労省は謝罪せず、原告や弁護団との話し合いの席にもついていません。それどころか、「謝罪するかどうかも含め検討する」と専門家委員会を設置しました。裁判をたたかうなかで、232名もの原告が命を落としてきたことを考えると、厚労省の対応は適切とは思えません。
そもそも生活保護は、十分に「健康で文化的な生活」を支えてきたのか。
文化的な生活とはなんなのか。原告の言葉の端々から、こうした問いが見えてきます。この国の「生存権の現在地」を、読者の皆さまといっしょに考えたいと思います。