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[日販商品データベースより]
俊成真筆という計り知れない意義〓久保木秀夫(日本大学教授)
藤原俊成真筆の『古今和歌集』昭和切は、昭和3年(1928)に巻一〜十の上帖が分割されて生じた名物切である。と同時に、現在に至るまで700年以上に亘り流布本の地位を占め続けてきた、いわゆる定家本の底本と目されている重要本文資料である。もっともその昭和切上帖では真名序・仮名序の全丁・全文が欠けていた。それが久曽神昇によって発見され、全文翻刻が提供されたのであるが、影印化まではされることなく、典籍としての姿は不明のまま存否不明となっていた。 ところが天理大学附属天理図書館に収蔵されている「古今和歌集両序」という列帖装一括り分の残簡が、まさにその昭和切の真名序・仮名序そのものだった。同本を精査するに、既知の翻刻の誤りを訂し得るばかりでなく、翻刻だけでは知られなかった、俊成また他筆による他本注記や勘物、訓点等も確認できたのであった。 『古今和歌集』俊成本・定家本の生成過程を検討する上で、さらには広く同集に関わる諸問題を調査研究する上でも、この影印本は不可欠必備、また書誌学・文献学・書学・書道・訓点語研究など、広範囲に亘り活用されることも大いに期待される次第である。
【附載】『古今和歌集 俊成本』両序(国立歴史民俗博物館所蔵)
本書では昭和切「両序」の影印本文に加え、俊成本・第一類のほぼ完本として重要な永暦二年(1161)俊成奥書を持つ国立歴史民俗博物館蔵本(鎌倉時代後期頃写)の「両序」全丁のカラー図版を附載し、とりわけ朱書き部分について昭和切との対照の便に供する。