- 祝祭
-
宮廷が演じたヨーロッパの夢
ヨーロッパの宮廷と美術 1
ありな書房
望月典子 今井澄子 田中久美子(美術史) 楠根圭子 木川弘美- 価格
- 5,500円(本体5,000円+税)
- 発行年月
- 2025年10月
- 判型
- B5
- ISBN
- 9784756625953
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[BOOKデータベースより]
ブルゴーニュ公シャルルの〈婚宴〉に、カトリーヌ・ド・メディシスの〈華燭の祝宴〉に、フェリーペ四世のブエン・レティーロ宮の〈祝祭空間〉に、ダーフィット・テニールスの〈名画の饗宴〉に、教皇庁とベルニーニの〈祝祭芸術〉に、太陽王ルイ一四世のヴェルサイユの〈祝祭〉に、ザクセン選帝侯公子アウグスト二世の〈婚宴〉に、宮廷が演じたヨーロッパの夢を見る!
プロローグ 王宮と祝祭―宮廷が演じたヨーロッパの夢
[日販商品データベースより]1 ブルゴーニュ公シャルルの結婚式と祝宴の「豪華」―ブルゴーニュ宮廷の伝統と継承をめぐって
2 華燭の祝宴―カトリーヌ・ド・メディシスの宮廷祝祭
3 フェリーペ四世とブエン・レティーロ宮―スペイン王室の祝祭空間
4 絵画の祝祭あるいは名画の饗宴―ダーフィット・テニールス(子)と『絵画劇場』
5 ローマ・バロックの祝祭―ローマ宮廷とベルニーニの祝祭芸術
6 太陽王からルイ大王へ―ヴェルサイユの祝祭に映しだされた王の表象
7 ザクセン宮廷の祝祭―ザクセン選帝侯公子フリードリヒ・アウグスト二世の結婚式
エピローグ 壮麗さの軌跡―祝祭に宿る権力と倫理
ルネサンスからバロックを舞台に、ブルゴーニュ公シャルルの〈婚宴〉、カトリーヌ・ド・メディシスの〈華燭の祝宴〉、フェリーペ四世のブエン・レティーロ宮の〈祝祭空間〉、ダーフィト・テニールス/ウィーンの〈名画の饗宴〉、教皇庁とベルニーニの〈祝祭芸術〉、太陽王ルイ一四世のヴェルサイユの〈祝祭〉、ザクセン選帝侯公子アウグスト二世の〈婚宴〉、これら七つの代表的な宮廷をとりあげ、それぞれが互いに競いあい、また影響を与えあいながら紡いできた「祝祭」という王権演出の系譜をたどるものである。
フランク王国のカール大帝の時代に萌芽を見た宮廷文化は、中世後期の君主たちのもとで著しい発展を遂げ、一五世紀に栄えたヴァロワ朝ブルゴーニュ公の宮廷は、その絢爛たる豪華さにおいて他を圧倒していた。とはいえ、その財力を支えていたのは、毛織物産業によって繁栄したネーデルラント諸都市の富であり、広大かつ多様な所領の領民や臣下たちに対して権威を示し、統治の正統性を維持するためには、壮麗な祝祭の挙行が不可欠であった。一方、同時期のイタリア都市国家の宮廷は、物質的な華美においてはブルゴーニュにおよばなかったものの、古典的教養と市民的美徳を融合させ、芸術を総動員して「壮麗さ」という君主の徳を可視化する独自の祝祭文化を築きあげた。
こうした文化的遺産は、ルネサンスからバロックへと受け継がれ、教皇庁をはじめ、イングランド、スペイン、フランス、ドイツさらには東欧諸国の宮廷においても、壮大な祝祭として結実していくこととなる。華麗なる宮廷文化の系譜をたどる本書の旅路は、その最初の頂点とも称すべき、ブルゴーニュ公国の宮廷から幕を開ける。