[日販商品データベースより]
今日、多くの人が「花街」という言葉からは思い描くイメージは、芸者遊びができる料亭街といったところだろうか。法律上も「国家公安委員会」から営業許可を得た料理屋、置屋の組合に加盟した芸者遊びのできる店で形成された地域だから、さしたる違いはない。
「花街」という言葉が書物に登場するのは、江戸時代の天明4(1784)年刊行の『浪花花街今々八卦』とされる。全盛期の昭和5(1930)年、日本全国113市のうち、98市に複数の花街が存在し、東京だけでも1万220名の芸者、3703軒の芸者置屋が存在したと記録されている。それから95年後の現在、芸者のおもてなしを受けられる「花街」は全国でもほんの数えるほどしかないのが現状である。
粋で、艶かしく、華やかで、どこか懐かしさのある街、江戸時代から今も生き続ける文化遺産「花街」。COOL JAPANを代表する伝統的な街並みがこれからも美しく、その品格を保ち続けることを祈りつつ、本書を携え、「花街」を訪ね歩いてみてはいかがだろうか。