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[日販商品データベースより]
私は物心ついた頃から「あの戦争はいったい何だったのか」思いあぐねてきた。最大の難関は「満州事変・満州国は是か非か?」という問題だった。私は第一次世界大戦後の世界平和を目指したワシントン体制を支持しているし、ワシントン体制を受容した若槻礼次郎・幣原喜重郎を尊敬している。一方、石原莞爾は頭脳明晰な第一級の軍人であり「石原莞爾が行ったのだから、さぞや深い理由があったのだろう」という気もしていた。尊敬する若槻・幣原と石原が「満州問題」をめぐってガチンコとぶつかったのだから、私はどちらが正しいのか考え悩んだ。結局、私は「満州建国は是である。石原莞爾を支持する」という結論に達した。それは、米英が主導したワシントン体制には、「第一次世界大戦中にロシアでロシア革命が起き、共産主義のソ連が軍事近代化を果たし、周辺に軍事膨張を開始したため、隣接する日本とドイツがソ連から軍事的脅威を被った」という重要事項を視野の外に置く、重大な欠陥が明らかになったからである。つまり、ソ連が東方に膨張してモンゴルを支配したので、日本はこれに対峙する防共国防国家として、また資本主義のショーウィンドーとして満州国を設えたのである。これは、「ワシントン体制を否定するというのではなく、ワシントン体制の不備を補整した」という意味を持つのだ。まさに痛恨の事態である日本の敗戦は、こうした満州国の意義を、日本外務省が米英など国際社会に対して一切説明しなかった/出来なかったことに、最大の原因がある。そこで、私は遅まきながら、不手際にも未だ位置づけが定まらない「満州国の意義」を、本書にて説明することとしたのである。