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[BOOKデータベースより]
第一章 罪があるとしたら朝鮮の男を愛したことだけで―二〇歳で海峡を渡った母さんす
[日販商品データベースより]第二章 We have allegiance of both countriesよね―アメリカのために戦った日系二世
第三章 今の暮らしが、なんというか心配がないね―満州からブラジルへ
第四章 鳥はいいね、どこでも行けるし―サハリン残留日本人の家族の言葉
第五章 私たちは、外国人かもしれないが、ウチナーンチュである―ペルーからやってきた沖縄人
第六章 全部少しずつで、積み重ねでここまで来たんだ―中国の農村から都会へ、そして日本へ
第七章 言語は自由だ―ルーツはアイルランド、いろいろな言葉とめぐりあう
第八章 イベタンイベチカリ、あれは母親の願いがこもってたんだろうなあ―アイヌに生まれて、見失ったもの、見直せたもの
複数の言語で長く生きてきた8人の、多様に混淆した語りを活かす形でまとめたインタビュー集。権力の引く境界の暴力性に対抗し、「国民」に回収されない「あいだ」を生きる人々の声が、「日本」「日本語」のイメージの変容を迫る。
■「まえがき」より
2022年に『複数の言語で生きて死ぬ』という本を出し、複数の言語と絡みあう人間の生と死について、著者らを触発してやまない、記憶に残る人、資料、物語のことを語っていきました。
<中略>
語り手が生きた場所は、語りのなかで挙がった名称でいえば、日本、ブラジル、朝鮮、米国、ビルマ、ペルー、中国、英国、台湾、ソ連、満州など多岐にわたり、そのなかには、いまはすでに国家としては存在しない名称もふくまれています。けれどもその地は人間がどのような名をつけ区切るかに関わらずそこにあって、その地で暮らし、慈しまれた記憶は、語り手のなかに残っています。同時に、そうした暖かい思い出と引きはがせない形で、辛い記憶もまた、口にされることがあります。戦争や紛争をはじめとする過酷な対立のなかで引きしぼられる線としての境界と、分断のなかで互いを痛めつける言葉もまた、その時期を生きた語り手は記憶しているからです。
本書で語られる「人生物語」は、権力の引く線としての境界の暴力性に対抗し、「あいだ」を生きる物語だ―と、私は、考えています。