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[日販商品データベースより]
本書は、「人民」という言葉に集約された各個人たる生活主体の立場において、既存のマルクス系の経済学を批判し、さらに積極的な経済社会学としての原理を諸立言の形で取りまとめたものです。本題中の「反国家」とは、個人たる生活主体が自己の状況の中で取りうる視座の社会的性格を指しますが、これは経済学が明らかにすべき諸事象の根幹が、国家支配にあることの反映です。
マルクスは19世紀人として、国家にとっては「人間」でもなかった貧民大衆に利する経済学を打ち立てました。しかし、それは小ブルジョワとして被支配人民への同情を基に既存の経済学を修正したに過ぎません。そこにあるのは小ブルジョワジーの経済学であり、その利益は国家支配者の権益を分け持つブルジョワジーが享受するものです。19世紀中期に日の当たらぬ建物の地下で明日を知れない命に絶望していた人間に、「歴史を越えて」寄与するものではなかったのです。
本書の存在意義とは、働く人々の認識が、アカデミズムの諸経済学者の認識よりも働く人々にとっては正しいこと、その認識は経済理論が示す社会主義なるものに対し、正しくも根本的な原則をその展望に加えること、この2点を明らかにしたことと考えています。
内容をここで具体的に叙述する余地はありませんが、構成は、まず本書の方法論としての序論、ついで、ありうる人民の科学としての経済学の原理、この原理が辿った歴史過程、最後に現在の原理の位置、となります。
本書は、一般被支配者という視点において成り立つ、学としての経済科学のあり方について述べています。これは管見の限りでは初めての学的試みと自負しております。
なお、筆者はこれ以前には全体社会への視点と個人への視点とを切り分けた社会科学として、科学たる法則の定立に向けた書物群を編んできました。よろしければそちらにも目を通していただくと本書もより分かりやすくなるかと思うのですが。
Webサイトに各書の紹介を載せてあります。
http://kumaeijiro.web.fc2.com/