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[日販商品データベースより]
本書は,有り余るほどの材料ではなく,少ない材料で(必要とする分だけの材料で)多様な発想を生み出すための教材について述べたものです。では,何をめざしてそうした教材を提起したのでしょうか。端的に言えば,次の言葉で表現することができます。
生命を原点とする教育
今,あらためて「生命」に眼差しを向け,それをキーワードとして,「生命を原点とする教育」とした最も大きな理由は,2011(平成23)年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故にあります。生命に及ぼした極めて深刻な影響を踏まえ,事故後の教育のめざす人間像を「生命に及ぼす影響に配慮して,よりよい生活環境を創造する人間」としました。生活環境には人間の生活を支える自然環境と人為的環境を位置づけました。
原発は人間がつくったものです。今後のものをつくる教育においては,自然と対立する造形教育ではなく自然と調和する造形教育をいっそう重視する必要があります。人間は自然の一部であり,自然に支えられてこそ生きることができるからです。その具現化にあたっては,有り余るほどの材料ではなく,少ない材料で(必要とする分だけの材料で)多様な発想を生み出す創造体験を大切にしました。材料は自然の恵み・自然の生命と考え,自然に負担をかけないように配慮したからです。
本書では,こうした少ない材料で多様な発想を生み出すための教材による実践を自らの手でよりよい生活環境を創造する取組の一つとしました。そして日本の伝統的な造形である「折紙」をそのような教材の規範としました。限定されたなかで無限の可能性をどう引き出すか,そこに価値を見出し,伝統の継承と創造への挑戦を続けてきた日本人の精神的特性が受け継がれているからです。