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[日販商品データベースより]
第二芸術から女歌勃興まで、かつてない危機とも高揚期とも
いえる時代を、資料に則し、現代の視点から捉え直す。
敗戦と、それにつづく戦後とが、日本の、かつて経験しなかった激動と価値転換の一時代であったと同様に、短歌という、この国の伝統詩歌の世界もまた、それが滅亡するか否かという切迫した危機感を内部にはらみながら、戦後短歌と呼ぶ転生の模索のための苦渋な歴史の一時期を重ねた。「第二芸術論」などが相次いでとなえ出されていた日であり、それに答えるための差し迫った思いを互いに秘めながら、当時まだ若く無名であった歌人たちが集って「新歌人集団」という小さな会合をつづけたりした。短歌が滅びるものであるなら、わたしたちはその最後の歌人であってもよいなどと語り合ったりした。
だが、短歌は滅びず、それどころか今日、現代短歌といわれるかつて見ない繁栄をつづけている。一歴史の上に、というべきだが、その歴史もようやく歳月の中に忘れられようとする。
今、篠弘君が鋭利な歴史観に立ってそれを取り上げて書いて呉れた。豊富な資料の駆使はこの人だけのものとも言える。文学の継承がつねに正しい歴史の把握の上にだけあるとするなら、篠君の労作は必ず若い現代歌人のあいだに読まれたければならない。
──近藤芳美(帯より)