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[日販商品データベースより]
東方正教と西方カトリックの対立は根強く,神学的な大論争が起こると両者の歩み寄りはますます困難になり,東方キリスト教思想にとって不幸な時代が長く続きました。
著者は,対立して優劣を競うより,それぞれの姿を浮き彫りにし,互いに触れ合うことを長年にわたり心掛けてきました。本書はその長い旅路での出会いや考えた事柄を通して,その本質や背景にある事情を伝えるエセーです。
T部では,西ヨーロッパに散在する東方キリスト教の息づかいを求め,カラーブリア,地中海,ローマ,ヴェネツィア,ラヴェンナ,シェヴトーニュ,ブルゴーニュ,パリ,ロシアなど多くのビザンツの足跡を訪ね,その経験を通して私にとっての東方キリスト教の意味を実感しました。
U部では,さまざまな体験を踏まえ東方キリスト教を根底で支えている問題を考えます。聖書に示された人間創造の原初に立ち帰り,神が託した人間の使命とそれを果たすための能力に注目。西方では軽視された東方キリスト教の特徴である「人間の神化」という究極の人間理解について偽ディオニュシオスとパラマスを中心に解明します。
V部は講演で,東方キリスト教の精神を育んだビザンツの精神状況をビザンツ神学の大成者パラマス(1296頃-1359)をベースに分かり易く紹介したビザンツ神学入門です。
日本的思考を身につけ育った著者が,ビザンツ神学と出合って感じた違和感は越えがたいものでした。それを克服するために研究と旅が生涯の営みとなりました。わが国でも東方キリスト教は遠い存在です。東欧やロシア,ビザンツを知るために,本書が役立つことを願っています。