[BOOKデータベースより]
1 記号、表記法
2 行列、ベクトルに対する演算
3 消去法、行標準形、逆行列
4 行列式
5 固有値と固有ベクトル、対角化
6 ベクトル空間
7 行標準形―再論―
8 基底、線形写像、不変部分空間と行列表現
9 擬似逆行列
10 実対称行列、エルミート行列
11 ノルム
12 ジョルダン標準形の導出
13 線形時不変システムの解と安定性
14 現代制御理論への応用
【読者対象】
本書は,大学1年生,高専高学年レベルの知識がある学生を主な読者対象としています。また,一度線形代数を学んだ人にももう一度線形代数を愉しんで勉強してもらうことも目指しています。
【書籍の特徴】
行列式のモヤモヤ、晴らします。
多くの線形代数の教科書では、行列式は「そう定義するもの」として登場します。あるいは、満たしてほしい性質を列挙し、その条件を満たす関数として定義されることもあります。しかし、どちらの場合もなぜそのような定義になるのかということは明示されておりません。
本書では、そうした“天下り式”の説明に頼ることなく、初等的なアプローチを用いて連立一次方程式に唯一解が存在する必要十分条件から行列式を自然に導き出しています。行列式以外の概念についても、定義や定理の前にその必要性や動機を丁寧に解説し、納得しながら読み進められる構成を心がけています。
また、個々の問題や例題にとどまらず、それらの相互関係や共通する構造に意識を向けることで、読者が自分の頭で考え、学びを深める力を育むことを重視しています。愉しみながら効率よく学び、「考える線形代数」を身につけてもらう――それが本書の願いです。
独習書として、あるいは定義に疑問を感じて立ち止まったときのリファレンスとしても最適な一冊です。
【各章について】
はじめに1章で記号を準備した後、2章で行列を導入し、3章で連立方程式の消去法を一般化したガウスの消去法を紹介しています。第4章が本書の最も特徴的なコンテンツである行列式について述べ、その後、固有値を導入します。さらに、5章から12章では線形代数の幾何学的な説明も取り入れながら、ベクトル空間や基底等を紹介し、ノルム・ジョルダン標準形まで述べます。最後に13章と14章において線形代数の知識の応用例として,定係数線形微分方程式や定係数線形差分方程式で表される動的システムの安定性と基礎的制御問題を考えています。
【読者へのメッセージ】
本書は、「なぜそうなるのか」を大切にした線形代数の入門書です。定義や定理を押しつけるのではなく、その背景にある考え方や必要性を丁寧にたどります。モヤモヤを抱えたまま先に進まないでください。納得しながら、線形代数を一緒に愉しみましょう。
【本書のキーワード】
線形代数、行列、行列式、ベクトル、ベクトル空間、線形写像、ガウスの消去法、固有値、固有ベクトル、対角化、ジョルダン標準形、疑似逆行列、対称行列、エルミート行列、二次形式、マトリックス平方根、特異値分解、ノルム、現代制御論、システムの安定性
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