- スーパー読解『山月記』
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- 価格
- 990円(本体900円+税)
- 発行年月
- 2025年06月
- 判型
- B5
- ISBN
- 9784991363610
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[日販商品データベースより]
中島敦の「山月記」は、著者の死後80年以上経過した今も、高校国語の教科書にも掲載され(現在は「文学国語」)、多くの熱烈な読者を持つ名作です。
しかし、「漢文訓読調の文章」と紹介されることもあるなど、現在の高校生の多くは一読して、「むずかしい文章だ」と感じるか、あるいは人間が虎に変じる怪奇譚としてのみ捉え、より奥深い、李徴の「人間ゆえの苦しみ」にまで思い及んでいないケースが多いのではないかと危惧されます。
本書は、「真の国語」を教える国語教材を継続発行している有限会社言問学舎が、高校生の時期に「山月記」を学ぶ機会のある若年層や、かつて愛読した成人にも親しんでいただくことをねらいつつ、「人間ゆえの苦しみ」をより深く理解できるよう、工夫を盛り込んでいます。2023年5月発売の『スーパー読解「舞姫」』につづく「スーパー読解」シリーズの第2弾です。
言問学舎の「真の国語」は、文章をより深く味わい、理解するために音読を必須の要件としておりますが、前作『スーパー読解「舞姫」』ではDVDで提供していた編著者小田原漂情による本文全文の音読映像を、ひろくYouTubeの一般公開で提供する形と致しました(次作以降の音読映像提供方法は未定です)。全6回のうちの第3回について、YouTube視聴者の方からこんな声が届いております。
<小田原さんの声、速度、抑揚、とっても良くて、数分の間に、虎になっていく“人の心”が、静かに強く響きました。>
読解篇Tは、教科書の語釈だけでは理解しにくいであろうと考えられる難解な用語、表現を、わかりやすく解説しています。そして読解篇Uで、李徴を虎にさせた原因、すなわち李徴の「人間ゆえの苦しみ」の本質を解き明かします。さらに読解篇Vで、冒頭から順に、細かい部分にまで踏みこんで問いを投げかけ、深い理解を促す仕組みとなっています。もちろん読解篇U、Vには「解答例」を赤字で記載してあります。問いの解答が書けなくとも、解答例を読めば十分な理解が得られるはずです。
発展篇Tでは、袁〓一行の前で李徴がつくった即席の律詩を読み解きます。わかりやすい現代語訳を付していますから、李徴の「詩」についてもよく理解できるでしょう。さらに発展篇Uで、「山月記」の原典である「人虎伝」の書き下し文(『新書漢文大系I 唐代伝奇』明治書院 による)と現代語訳を読むことができます。律詩、人虎伝とも、現代語訳は、小田原漂情自身が手がけています。
その上で、発展篇Vでは「人虎伝」と「山月記」を対比させて、その相違点(李徴からの袁〓への頼みごとの順序など)から著者中島敦がねらったところや、中島敦自身の境涯、感慨にまで立ち入って、「より深く考える」構成をとっています。
より深く「山月記」を読み、国語の力、生きる力の一端としていただきたく、『スーパー読解「山月記」』を送り出すものです