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[日販商品データベースより]
【序章 より】(抜粋)
懐徳堂とは、享保九年(一七二四)の大坂において、五同志とよばれる大坂の有力町人たちによって創設された漢学塾である。(中略)
「官」に縛られぬ「民」の性質を併せ持つ懐徳堂は、官命によらないさまざまな活動を独自に行なっているが、特に目を引くのが、孝子顕彰運動である。近世、孝子をはじめとするさまざまな徳行者を顕彰することは、幕府や藩といった為政者から一儒者といった個人に到るまで、さまざまな主体によって行なわれていたが、懐徳堂は教授陣の個人的な活動を越えて、学校単位でこの孝子顕彰運動に取り組んでいた。当時、関西を訪れる知識人は必ず懐徳堂に立ち寄ったとされ、手紙のやり取りなども含め、懐徳堂は全国の儒者間におけるネットワークのハブともいえる存在であった。孝子顕彰運動は、懐徳堂の特徴的な活動であるとともに、こうした儒者ネットワークにおける主要な関心事であり、また孝子の情報や作成された孝子評伝のやり取りなどが、このネットワークそのものを構成・維持していたという一面を指摘することができる。
本書は、懐徳堂が行なってきた孝子顕彰運動について、その全体像を明らかにすることを目的としている。懐徳堂による孝子顕彰運動は、多く(一)募金活動による孝子の生活援助、(二)評伝作成による顕彰と民衆教化、(三)お上への言上と褒賞の要請といった形をとる。
そこで本書では、懐徳堂による孝子顕彰運動の様態や意義、及び評伝の内容について分析するとともに、その顕彰対象である孝に関して、本朝においてどのような観念が成立・展開していたのかについて考察を加えた。