[BOOKデータベースより]
“本書で綴っているのは、加害者家族との関わりの中で露呈した事実であり、これまで明るみに出ることはなかった家族の闇である”。長年にわたり犯罪の加害者家族支援を行ってきた著者が、これまで頑なに沈黙を貫いてきた「近親性交」当事者たちの心の奥深くに分け入り、自ら関わった具体的な事例を提示。「家族神話」の弊害を詳らかにし、家族という密室から助けを求める叫びに蓋をしてきた日本社会のタブーに風穴を開ける。
第一章 父という権力(息子が殺人犯となった理由;家族の敵は家族;父と娘の対立;父子性交の実態)
第二章 母という暴力(無期囚と家族;息子の子を出産した母;性犯罪者の母の責任;母子性交の実態)
第三章 長男という呪い(姉による性暴力;傷ついた者たち;きょうだい性交の実態)
第四章 近親性交で生まれた子どもたち(近親性交による妊娠;出自を知る権利)
第五章 近親性交が生じる背景(家族による性の束縛;家族の孤立と親密化 ほか)
大反響4刷!家庭は本当に安全な場所なのか
大絶賛の声、続々!
◎芥川賞作家・市川沙央さん
「家族」を愛する人こそ、「家族の闇」を知る義務がある。
◎社会学者・橋爪大三郎さん
家族の暗部を明るみに出す、勇気ある書物だ。
2008年に日本初の加害者家族の支援団体を立ち上げた著者の阿部恭子さんがこれまでに受けた相談は3000件以上に及ぶ。対話を重ね心を開いた加害者家族が打ち明けた近親性交の具体的な実例と、そこから見えてきた家族の闇について綴った渾身の一冊。
「私は父が好きだったんです。好きな人と愛し合うことがそんなにいけないことなのでしょうか」(第一章「父という権力」より)
「母が出産しました。僕の子供です」(第二章「母という暴力」より)
「この子は愛し合ってできた子なんで、誰に何を言われようと、この子のことだけは守り通したいと思っています」(第三章「長男という呪い」より)
果たして家庭は安全な場所なのか。声なき声をすくい上げ、家族の罪と罰を詳らかにする。
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本書はアクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由等の理由で必要とされる方に本書のテキストデータを提供します。本書巻末よりお申し込みください。
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【編集担当からのおすすめ情報】
社会的弱者や少数者をすくい上げる活動を続け、これまで『息子が人を殺しました』や『高学歴難民』などを執筆してきた筆者が今、届けたいと満を持して綴った渾身の最新作です。
「近親性交」というタイトルにギョッとさせられるかもしれませんが、そうした性の問題から目を背け続けてきたことが、令和になっても家族間における悲惨な事件がなくならない理由のひとつなのかもしれません。読んでいただければ、決して他人事ではないと思っていただけるはずです。
阿部さんは取材や講演会で必ず「まずはこういう人たちがいることを知ってほしい」と語ります。あなたも本書を手に取って「知る」ことから始めてみませんか。
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