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[日販商品データベースより]
ボスニアでの衝撃的な出来事が連日報じられるなか、オックスフォード大学で公開の連続講座が催された。招聘された7名の講師は、いずれも世界的な哲学者である。
国際人権法は、眼前の事態に対してあまりにも無力にみえる。そもそも〈人権〉という思想には、こうした事実に対抗しうる何かがあるのだろうか。それは、近代西欧世界の想像力の産物にすぎないのではないか。社会の大部分の人々をはじめから排除して成立した〈人権〉概念が、果たして普遍性をもちうるのか。西欧リベラリズムの政治的伝統を離れて、それを異なる文化に適用することがなぜ可能といえるのか。
こうした難問に対する答えを、哲学の立場から多彩な切り口で追求したのが本書である。正義の理念を拡張する手続きを通じて注目すべき理論を展開するロールズ、人権の「基礎づけ主義」を真っ向から否定するローティ、フェミニズムの視点から新たな平等概念の確立を訴えるマッキノンなど、刺激的な議論が次々に現れる。
全体主義の重い経験とその瓦解後なおも続く模索は、人権理論に大きな課題を負わせている。西欧世界のうちそとを問わず続けられる思索と実践のために、素通りすることを許さない里程標として、本書は意味をもつことであろう。