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[日販商品データベースより]
Limelight 2024 Under40部門グランプリ受賞。現在若手注目度No.1の写真家による“ぞめき”写真集(久保田麻琴録音・マスタリングによるCD『ぞめき 路上・生』付)。
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阿波踊りでは祭りの前のざわめきや街を包む高揚感、また音楽にのり騒ぎ賑わうことを“ぞめき”という。
2011年8月、友人の田中君に誘われ高円寺の阿波踊りを見に行った時のこと。踊りを横目にビールを楽しむものだと決め付けていた私は既にほろ酔い気分だった。そんな中、苔作というパンチパーマの男達に出会った。見た目通りの力強い太鼓や鉦鼓(かね)の音が振動となり内臓にまで響いてくる。酔いが一気に冷め、苔作の男達が鳴らす太鼓のグルーヴに夢中になっていた。この体験から次第に阿波踊りに興味を持つようになった私は、阿波踊りが供養の意味もあるということを知った。
徳島の津田地区ではお盆になると霊魂を慰めるために送り火を焚き、人々は音を鳴らし踊る。
大切な誰かが死んだ時、葬儀で盛大に踊りながら故人を送り出す連もいた。これらの光景は私が阿波踊りの供養の意味を知りたくて、実際に目にしたものだ。誰かの死は決して無駄になることはない。残された人々の胸の中に刻まれ、やがて踊りや音へと昇華されていく。阿波踊りの長い歴史には人々が繋いできた想いがある。それが街全体を包み込む熱気を生む。それこそが“ぞめき”なのだろう。
徳島、高円寺で見た活き活きとした表情で踊る人々の姿、鉦鼓(かね)や太鼓のグルーヴから感じた熱狂を、そして人々の想いを、この作品から少しでも感じていただけたら幸いである。
──平良博義
宮古島(ミャーク)の子孫、平良博義は東京・高円寺にて南方の律動である“ぞめき”に魅せられた。そしてカメラを肩に阿波の国に飛び立った。そこで彼は魔術的なビートを画像に取り込むことに成功したのだ、レンズをとおして。
──久保田麻琴