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[BOOKデータベースより]
二〇二三年末、金正恩は突然、父祖以来の南北統一路線を放棄して、韓国を「敵」と見なすことにした。一方の韓国では二〇二四年十二月に尹錫悦大統領が左派の策謀におびえて戒厳令を宣布したが失敗し、弾劾裁判にかけられるという一大事が起きた。二国で並行して進む混乱や狂騒はどこへ向かうのか。朝鮮半島の歴史的変動に日本はどう対処すべきか。
第1部 自壊する北朝鮮(金正恩が南北統一を放棄;南への憧れで北朝鮮が内部崩壊;通常兵力でも韓国軍にかなわない、核戦略の大変化)
[日販商品データベースより]第2部 分裂する韓国(尹錫悦の狂乱、陰謀論を信じて戒厳宣布;韓国医療を危機に追い込む尹錫悦の「医療改革」)
第3部 国際関係の中の朝鮮半島(金正恩はなぜウクライナ侵略戦争に派兵したのか;習近平の金正恩いじめの驚くべき実態)
第4部 朝鮮半島と日本(今後の南北コリア;朝鮮半島の歴史的大変化と日本;大統領弾劾・罷免後の韓国)
2023年末、金正恩は突然、父祖以来の南北統一路線を放棄して、韓国を「敵」と見なすことにした。それは驚くべき方針転換だった。北朝鮮の国是を変え憲法も変えるという大転換だ。(日本の朝鮮労連へも命令は届いている)。一方の韓国では2024年12月に尹錫悦(ユンソギョル)大統領が左派の策謀におびえて戒厳令を宣布したが失敗し、弾劾裁判にかけられるという一大事件が起きた。二国で並行して進む混乱や狂騒はどこへ向かうのか。本書はこの朝鮮半島の歴史的変動を詳細にリポートし、日本はどう対処すべきかを考えるノンフィクションである。
北朝鮮は南のK-POPや韓国ドラマの浸透、風船を使った脱北者の宣伝活動がじわじわと浸透して住民が豊かで自由な韓国文化に強い憧れを抱くようになり、体制の危機を感じるようになった。文在寅(ムンジェイン)前大統領の任期半ばまであった南北融和ムードはいまや完全に断たれ、開城にあった南北統一の記念館は爆破された。北は長年、南へ多くの地下工作員を潜航させて体制転覆を画策してきたが、政治工作での乗っ取りはかなり成功していたものの、それもすべて止めにして金一族だけを守る、うちに閉じこもる政策に変わった。一方で北との体制競争でほぼ勝ったと思われる韓国では、自らが北に勝ったという意識は希薄でただ経済的繁栄を謳歌するばかりだ。
金一族の経済的困窮は開国開放を求め、港湾の利用を求める習近平の中国との仲たがいから援助を打ち切られ、ウクライナ戦争で手助けがほしいプーチンのロシアに傾いていった。泥沼化するウクライナ戦争へ兵器だけではなく兵員まで貸し出して、代わりに食料やエネルギーなどの援助を仰ぎ、ようやく一息ついているありさまだ。兵員の派遣は21世紀の人身売買のようなものであり、一人いくらの貸し賃で数千人あるいは数万人規模の兵隊を送り込んでいる。弾除け代わりに使われる北朝鮮兵士はすでに数千人の死者が出ており、最大10万人まで送り込むと金正恩は広言しているという。
韓国の尹錫悦大統領は戒厳令を宣布したが失敗し、弾劾裁判にかけられることになった。不正選挙が行われ、国会が左派に乗っ取られているという妄想が高じて、独断的に戒厳令を出したのだが(この不正選挙陰謀説は根拠薄弱)、弾劾罷免されるだろう。しかしその過程の中で右派と左派が大動員をかけ数万人規模のデモが連日行われている。新大統領選出の選挙が近日おこなわれるが、極左極右の暴力的対立が危惧されている。
アメリカでトランプ政権が誕生し、北の頼る国は日本と米国しかなくなるだろうというのが著者の見立てだ。著者はこの機に乗じて拉致問題の全面的解決をはかるべきだという見解を述べている。いずれにしろ、朝鮮半島の未曽有の混乱は今後どうなるか、それを考えるために本書は格好のリポートであり、日本におけるこれらの問題の第一人者である著者の見識は大いに参考になるだろう。