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[日販商品データベースより]
19世紀ヨーロッパで生まれた社会経済史学の歩みにおいて、前近代的な農業社会が都市的な近代商工業社会へどのような過程を経て移り変わっていったのかを解明することが、常にその中心課題であった。この課題にあって中世的な農村共同体の解体を示すものとして、「共同耕地制」農業の消滅が注目された。しかし1960年代以降イギリスの指導的農業史研究者ジョーン・サースクは、「共同耕地制」が中世以来の伝統農業ではなくそれが満面開花したのは18世紀の「産業革命」直前期であるとし、大きな論争となった。この論争は、社会経済史学における近代化図式の吟味という問題のみならず、「議会囲い込み」をもって農業近代化を説明する農業史叙述方法への疑間、そして従来一義的に「中世的」とされた「共同耕地制」の史料の多くが実際には18・19世紀のものであったという史料批判の問題に至るまで多岐にわたり、その後のこの学問の展開に多くの教訓・影響を与えた。
高橋基泰愛媛大学教授の先行研究を踏まえた上で、諸史料の読解・分析を通し本研究では以下のことを解明・推論できた。古典学説の説明とは裏腹に、18世紀以降この村が少数の有力農民の指導の下で「共同耕地制」農業体制をますます精緻なものに作り上げていた。その理由は奢修的酪製品「コテナム・チーズ」生産に要する休閑中の共同耕地内での共同放牧慣行を維持強化し、それが生み出す雇用と大きな収益をもって村が抱える大きな過剰人口に生計の道を与えるにある。このような「沼沢縁辺地域」における共同耕地体制と商業化した農業との組み合わせを「沼沢&酪農」経済と呼ぶ。また19世紀半ば過ぎの当教区で「議会囲い込み」が実施されたが、それは1810年代以降の英農業の不況と酪製品生産の企業化により、近世的な「沼沢&酪農」経済が維持できなくなり、それを解散・清算するイベントであったと位置付けた。