[日販商品データベースより]
女の子は、朝もやが残るころにカゴを持って森へと出かけていきます。
まだ目覚めたばかりの森。クモの巣には宝石のような朝露が光り、鳥たちは遠慮がちにおしゃべりをはじめ、やがてリスたちも枝の上に姿を見せます。目の前にある森は、夜になるといったいどんな様子をしているのでしょう? 鳥たちはどこで眠りについて、リスたちの赤いしっぽはどんな色に見えるのでしょう? いつものベリーを摘むお気に入りの場所で、女の子は目をつぶって夜の森のことを想像しはじめます。咲いているはずの花や、空の上の方に見える月、飛んでいるものたちや、足音を忍ばせて歩くものたちのことを。まだ今は、自分の周りの小さな世界のことしか見ることができないけれど、女の子はまるで森と共鳴しているように、静かで優しい夜の森をありありと思い浮かべることができるのでした。みずみずしい朝の森と、密やかな夜の森が絵本の中に広がります。
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女の子がかごを持って出かけたのは、朝もやの残る森の中。甘酸っぱいにおいのくるみの葉っぱ、しっとりふわふわ苔の地面、朝露にうつる小さな森。誰もいない静かな朝の森を歩いていると、やがて鳥たちは遠慮がちにおしゃべりをはじめ、リスたちも枝の上に姿を見せます。からだいっぱいに朝の空気をすいこみ、お気に入りの場所できいちごを摘みながら、女の子は目をつむって夜の森のことを考えるのです。夜になったらこの森は、鳥たちは、動物たちは……?チェコ・プラハで自然を身近に暮らす絵本作家出久根育さんが絵本の中で描く森は、匂いや空気までも伝わってくるようなみずみずしい朝の森、そして女の子の想像の中で広がる密やかな夜の森の二つの姿。たとえ訪れたことがなかったとしても、女の子には月明りに照らされた優しい夜の森の様子や出来事、会話の内容までありありと思い浮かべることができるのです。何層にも重ねられた色彩の繊細で美しい絵を眺めながら耳をすましてみれば、読者もまた、女の子と一緒に森に包まれ自然と共鳴する体験ができるのかもしれません。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
女の子が一人、籠を提げて森へ。
朝もや、葉っぱの匂い、足に伝わる苔の感触、朝露、動物たち、針葉樹のきしむ音。
私も森にいるようです。
作者の住む中欧の森はこんな風なのかな…。
女の子が想像する夜の森の様子もロマンチック。
出久根育さんのやわらかくて静かな、重層的な水彩画はどのページを広げて飾ってもすてき。
私の体験した日本の夜の森は、見えない動物の気配だらけで怖さばっかりでした。でも、それは私が怖かったから、周りの動物も私の気配を察して緊張していたからかも?(かぜかぜさん 50代・千葉県 女の子13歳)
【情報提供・絵本ナビ】